2020年3月、チートアプリを組み込んだ脱獄iPhoneを販売した少年が商標法違反の疑いで逮捕された。この事件では「脱獄iPhone」や「チートアプリ」など、聞きなれない用語が登場するし、そもそも、どうして少年がiPhoneを販売して逮捕されたのかさっぱりわからないという人も多いだろう。そこで、今回はこれらのキーワードの意味と、少年がどうして逮捕されたのかを解説したいと思う。
そもそも「チートアプリ」て何? 違法なの?
2020年3月、京都新聞が報じた「「脱獄アイフォーン」販売、19歳少年逮捕 ゲーム課金逃れる「チートアプリ」組み込む 商標法違反容疑」によると、スマホゲームで不正行為を可能にする「チートアプリ」を組み込んだ「脱獄iPhone」を販売したとして、商標法違反の疑いで兵庫県に住む19歳の少年が逮捕された。そもそも「脱獄iPhone」や「チートアプリ」の意味がわからないし、どうしてこの少年が逮捕されたのだろうか? だが、これは意外とアナタの周囲でも起きうる事件なので、いったい何が問題なのかを確認しておこう。
まず、「チートアプリ」とは何だろうか? そもそもチート(cheat)は英語で“騙す”という意味がある。警視庁の公式サイトによると「ゲームのデータやプログラムを改ざんして、正規の利用では本来できないこと(ゲーム内通貨やレアアイテムを不正に増やしたり、キャラクターのレベルを急激に上げるなど)を不正にできるようにする行為をチート行為といいます」と紹介されている。つまり、本来なら時間やお金をかけて得るはずのレアアイテムなどを“ズル”して簡単に得てしまうアプリのことなのだ。こうしたチート行為を使うと、ゲーム運営会社から損害賠償請求される可能性もあるので、絶対に行ってはいけない。
(Image:keishicho.metro.tokyo.jp)
警視庁ではチート行為について注意喚起している。安易にチートアプリを利用すると損害賠償請求されたり違法行為として処罰される可能性がある
脱獄(改造)iPhoneの販売は商標権侵害に該当!
チートアプリがどのようなものなのかはご理解いただけたと思うが、今回の事件で問題となったのは、少年が「脱獄iPhone」を販売したことにある。そもそも「脱獄iPhone」とは、“Apple製品にかけられている制限を解除した改造iPhone”のことを言う。脱獄iPhoneならApple Store非公認アプリをインストールできたり、カメラのシャッター音を消せるようになったりするのだ。もちろん、趣味の範囲内で自分のiPhoneを脱獄することは違法とまでは言えないが、脱獄したiPhoneを販売するは違法行為になるという。
弁護士ドットコム「「脱獄」iPhone販売で初摘発、なぜ商標法違反?弁護士「特異な事例ではない」によると、iPhoneにはApple社の「りんご」のロゴマーク(商標)が表示されているが、商標はiPhoneがApple社の正規品であることを示すと同時に、品質を保証する機能もある。ところが、脱獄(改造)すると本来のiPhoneの品質とは異なる商品になるため、商標権の品質保証機能が害されてしまう。つまり、脱獄iPhoneを販売すると、商標権を侵害する行為になり刑事罰の対象となるのである。たとえば、自分で脱獄したiPhoneをうっかりフリマで販売してしまうと、逮捕される可能性もあるので十分に気を付けたい。
引用元:「「脱獄アイフォーン」販売、19歳少年逮捕 ゲーム課金逃れる「チートアプリ」組み込む 商標法違反容疑」【京都新聞】
引用元:「「脱獄」iPhone販売で初摘発、なぜ商標法違反?弁護士「特異な事例ではない」【弁護士ドットコム】
●警視庁「チート行為はやめましょう!」(公式)は→こちら