中国で市民権を得ているアプリの中で動くアプリ「ミニアプリ」って何?

中国では今、「ミニアプリ」と呼ばれる「アプリの中で動くアプリ」が市民権を得ている。ユーザーのデジタル経験を大きく変える可能性を秘めるこのミニアプリ。実は日本でも現在「LINE」が手がけ始めているのをご存じだろうか。SNS最大手のLINEがサービスに乗り出したということは、今後日本でも定着していくことが予想される。
今回は、聞き慣れないミニアプリについて詳しく説明していく。「私たちの生活がどう変わるの?何が便利になるの?」と正直イマイチよくわからないミニアプリだが、その真実とは…。

スマホでのユーザーの経験をワンランク上げる可能性を秘めている

中国ではもはやミニアプリは当たり前

 昨今急激なキャッシュレス化が進む日本だが、諸外国から見るとその流れは遅いくらい。ということは一足先にキャッシュレス化が進んでいる諸外国をのぞけば、日本で今後「デジタル文化」として“何が流行るか”を予測することができるだろう。キャッシュレス化が進む中国では現在ミニアプリが急増しているという。ミニアプリとは、2017年に中国のコミュニケーションアプリ「WeChat」が搭載した新たなアプリの一種。メインのアプリ内でサブのアプリを稼働させる、いわば「アプリ内で動く小さなアプリ」と言えるものだ。中国ではミニアプリは登場とともに爆発的な普及を見せ、「アリペイ」、「百度(バイドゥ)」などの大手アプリにも展開が広がり、その後も市場規模は拡大し続けている。

 ミニアプリの具体的なメリットとしては、メインのアプリと紐づけることでさまざまな連動サービスをワンタップで利用できること。例えば、会員登録の情報入力の煩わしさも、ミニアプリを使用すればQRコードをスキャンするだけで、メインアプリの情報を引用することが可能。スキャンするだけで、すぐにサービスの利用が開始できる。その他、決済情報なども打ち込むことなく使用できるようになる。中国では、スキャンだけで「サービス登録が完結する」そんなサービスが当たり前なのだ。

(Image:JordanJoy / Shutterstock.com)

流行の波に乗るのは今この瞬間!

 実際日本においてはまだ「ミニアプリ」はあまりメジャーなサービスではないだろう。今この記事を読むまで言葉すら知らない人が大多数であったのではないだろうか。しかし中国で爆発的な普及を見せたようにユーザーにとっての利便性は従来のアプリとは段違いで高い。日本でもSNS大手「LINE」が2020年7月より「LINEミニアプリ」の運営をスタート。日本でも定着の兆しを見せ始めている。導入店舗ではレジ前にて従来のアプリとLINEミニアプリを両方案内したところ、利便性からほぼ8割もの人がミニアプリを選択するケースも起きている。
 ユーザーとしての利便性だけではなくLINE側としても、自社サービスの強化はもちろん、他のアプリを介さない分「ユーザーの強力な囲い込み」につながる効果も見込める。日本のキャッシュレス業界は「経済圏」という自社サービスへの囲い込みがトレンドとなっている。LINEミニアプリが大きな武器となることは間違いないだろう。他社も黙ってみているはずがなく、ミニアプリが今後爆発的に普及していくことは必至だ。

 もはや「ミニアプリって何…」なんて言っている場合ではない。今のうちに、まずはLINEミニアプリに積極的に触れておいた方がいいだろう。なぜならミニアプリの流行の波はすぐそこまで来ているからだ。その波をスマートに乗りこなすためには、日本に上陸しはじめの今この瞬間から慣れ親しんでおくことをおすすめする。

参照元:顧客体験を革新するチャネルとなるか LINEに聞いた、ミニアプリの可能性【MarkeZine

オトナライフ編集部
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