Macユーザーに愛されているユーティリティソフトが、Mac App Store上で公開停止の危機に陥っていたことをあなたはご存知だろうか。そのソフトの名は「Amphetamine」。ソフトの制作者たちが訴えを続けたことで、最終的には公開停止の判断を覆すことに成功したのだが、いったいなぜそんな状況に陥ってしまったのだろうか…。
今回は、Amphetamineがどんなソフトなのか、またなぜ公開停止となりかけていたかなど、この騒動についてお伝えしていきたい。
名前のまぎらわしさで公開停止の危機に
まず、Amphetamineというソフトは、Macがスリープにならないようにしてくれるソフトだ。Mac自体でもスリープモードのオンオフ等は可能だが、このAmphetamineを利用すれば、「WiFiに接続しているとき」「特定のソフトを使用しているとき」などの細かな指定も可能。つまり長時間のダウンロード・アップロード等、Mac上で何かしらシステムを動かしながらも人が触らない作業が発生するユーザーにとっては、その都度スリープモードのオンオフを切り替えなくても勝手にスリープを回避してくれる非常に便利なソフトとして人気を博している。
しかしそんなAmphetamineを1月中旬にMac App Storeから削除する、という通知がソフトの制作者側にあったという。その理由は「『Amphetamine』という名前が、アメリカ国内で禁止されている覚せい剤を意味しており、不適切な使用を助長しかねない」として、Apple社のガイドラインに抵触すると判断されたからだという。
しかし当然ながらそのような意図があるわけもなく、制作者は公開停止される前に署名活動を行い、その結果とともにAppleの担当者に直談判をしたことで公開停止の判断を覆させたのだった。
製作者とソフトのファンの連携によって公開停止を免れることができたAmphetamine。場合によっては最悪の事態に陥ってしまう可能性もあった今回の一件だが、ある意味では追い風になったと言えるかもしれない。
このニュースでソフトの知名度が増し、現在世界的に増えているテレワークユーザーが「家でもMac使っているし、せっかくだから使ってみようかな」と導入する人が出てくることも考えられるのだ。
日本国内でも二度目の緊急事態宣言が発令され、関東の1都3県を中心にテレワークを再導入する企業は増えてくるはずだ。加えて自宅にいる時間が増えるテレワークでは、家事等オフィスワークでは発生しなかった離席の機会も増えることだろう。そうした状況で改めて自宅のパソコンの作業体制を整えるとなった場合に、スリープを防止するソフトは非常に有用であることは言うまでもない。
あなたやあなたの周囲にテレワークでMac機種を使う人がいるのであれば、ぜひとも導入して使用感を確かめてほしい。
参照元:Macの人気アプリが、?な理由で公開停止が通達されるも無事復活【INTERNET Watch】
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