あなたのスマホも狙われている! デバイス監視アプリDL数が前年比200%増

スマートフォンの普及に伴い、セキュリティやプライバシー保護が重要になってきた。そこでサイバーセキュリティ企業である「NordVPN」がスマートフォンやタブレットなどのデバイスを監視するアプリのインストール状況を発表。2020年は日本全国で1万2000と前年に比べ70%増加したという。さらに日本国内だけでなく世界規模で見ても、デバイスの監視システムに対する関心は高まっているようだ。しかしアプリケーションのユーザーが増えた分、悪用の件数も必然的に増加する可能性があるため、被害者を増やさないための解決策も考える必要があるのではないか。

社会問題の温床にもなり得るスマホ監視アプリ

GPS機能搭載のため、相手の居場所を特定できるほか、遠隔操作で音声の録音も可能

 テキストメッセージやブラウザーの履歴、写真・動画の閲覧、現在地の監視などが可能な「KidsGuard」「mSpy」といったスマホ監視アプリ。国内だけでなく、海外でもその需要は高まってきている。NordVPNによる調査では、パキスタンやロシア、ベトナムでそれぞれ200%以上もユーザー数が伸びている。日本含め10か国が2019年と比較して平均月間ダウンロード数が増えているのだ。
 しかし、アメリカでは深刻な問題となっているDVやストーカー問題の温床ともなっているスマホ監視アプリ。加害者がパートナーのスマートフォンに自由にアクセスし、現在地を調べたり、音声を録音したりと相手を支配しようと試みるのだ。スマホ監視アプリの精度を上げれば、それだけの代償を負わざるを得ないのか。スマホ監視アプリインストールによる不正アクセス防止の打開策も同時に考えるべきだろう。

 そんなスマホ監視アプリだが、2020年にはKidsGuardで個人情報漏洩の問題が発覚している。サーバー設定に誤りがあったため、インストールしたアプリからサーバーに送られた個人のデータがインターネット上に漏洩してしまったという。ストーカーウェアこそセキュリティを強化する必要があるが、こうしたエラーこそが、前出のDVやストーカーにつながってしまうかもしれない。

行き過ぎた行為は不正アクセス禁止法にふれるため要注意

 スマホ監視アプリは本来、親が子どもの安全を確保するためにデバイスの管理を行うもの。有害アプリやサイトへのアクセス制限、使用時間の制限など、親が遠隔でスマホの使用状況を操作することで、子どもの成長の妨げにならないようにする。しかし現在はパートナーの浮気や不倫調査に使用されることが多い。互いのスマートフォンに監視アプリをインストールすることで、GPS追跡機能で状況を確認できるからだ。「パートナーがどこにいるのか不安」であれば、双方合意のもとで利用するのもありかもしれない。

 さらに今では探偵に依頼せずとも監視アプリで浮気相手を調査する猛者も出てきた。現在地を把握するほか、遠隔操作で浮気相手の顔も撮影できるため浮気や不倫相手の証拠もばっちりキャッチ。パートナーの不貞行為の証拠を自らの手で調査できるのだ。その一方で、パートナーが居ない隙に相手のスマートフォンからインストールする人も中にはいるだろう。双方が合意の上でインストールしなければ、法律不正アクセス禁止法違反になってしまう。技術の進歩によって生み出された便利なアプリも、使いようによっては恐ろしい凶器になりうる。使い方には十分な注意が必要だ。

参照元:2020年に1万2千人の日本人が監視されました。NordVPN

(※2021/2/9 記事の一部を訂正いたしました)

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