アナタの家に動作が重くなって放置されている古いノートパソコンはないだろうか? そんなときは、Googleが無料で提供している「Chrome OS Flex」をインストールして「Chromebook」として使ってみよう。Chrome OSなら動作が軽いので、古いノートパソコンでもサクサク動くはず! そこで今回は、古いノートパソコンにChrome OS Flexを導入して、Chromebookとして利用する方法を紹介しよう。
そもそも「Chrome OS」って何なの?
何年も使っている古いノートパソコンは、動作が次第に重くなってしまうので、ぼちぼち、最新のWindows 11対応ノートパソコンに買い替えようと考えている人もいるだろう。だが、古いノートパソコンを捨てるのはちょっと待った!
実は、2022年2月15日にGoogleが「Chrome OS Flex」をリリースしたのをご存じだろうか? Chrome OS Flexとは、Googleが提供するモバイルパソコン「Chromebook」で利用されているパソコン用OSのこと。
Chromebookについてはこちらの記事で確認してほしいが、
Chrome OSの動作は軽く、Windowsのように高い性能を要求しないので、低価格のパソコンでもサクサク軽快に動作するのが特徴だ。
つまり、古いノートパソコンにChrome OS Flexをインストールすれば、サクサク動作するChromebookに生まれ変わるというわけだ。
●Google「Chrome OS Flex」(公式)→こちら
Chrome OS Flexのシステム要件はIntelまたはAMDの64bit CPU、メモリ4GB、ストレージ16GBとなっており、IntelのCPUを搭載したMacでも利用できる。ただし、2010年以前のパソコンは不具合が出るようだ。
GoogleではChrome OS Flexの認定モデルリストを公開しているので、手持ちパソコンが該当するか確認してほしいが、このリストにないパソコンであっても動作する可能性は高い。
そこで今回は、筆者が8年前に購入した「VAIO Fit 15 SVF15A 1A1J」をChromebook化してみたいと思う。ソニーのパソコンはChrome OS Flexの認定モデルリストにないが、果たしてChromebook化できるのだろうか?
●Chrome OS Flexヘルプ「認定モデルリスト」(公式)→こちら
Chrome OS FlexのリカバリーメディアをUSBメモリに作成する
さっそく2014年購入の「VAIO Fit 15 SVF15A 1A1J」をChromebook化してみよう。とはいえ、VAIOは認定モデルリストにはなかったので、不具合が起きる可能性もある。
そこで今回は、USBメモリからブート(起動)させて「Chrome OS Flex」を実行することにした。これなら、Windows OSを残したまま、とりあえずChrome OSの動作を試してみることができるというわけだ。
Chrome OS Flexのインストールは、Webブラウザの「Chrome」の拡張機能から行うことができる。「リカバリメディアの作成」を実行すれば、USBメモリをインストールメディアとして使用できるのだ。
まずは、ノートパソコンには余計なストレージを接続せず、8GB以上のUSBメモリだけをさしておこう。もちろん、USBメモリ内のデータは消去されてしまうので、大切なデータは事前にバックアップしておくこと。
次にノートパソコンでChromeを起動し、Chromeウェブストアで「Chromebook リカバリ ユーティリティ」を拡張機能に追加しよう。
●Chromebook リカバリ ユーティリティ」(公式)→こちら
そして、拡張機能一覧から「Chromebook リカバリ ユーティリティ」を開くと、「Chromebookのリカバリメディア作成」画面が表示されるので「始める」を押す。
「Chromebookの識別」画面が表示されたら、メーカー欄は「Chrome OS Flex」を、製品欄は「Chrome OS Flex (Developer-Unstable)」を選択して続行を押そう。
あとは、対象となるUSBメモリを指定してリカバリイメージを作成すればいい。作業は10〜15分程度で完了するはずだ。「リカバリメディアの作成が完了しました」と表示されれば準備完了である。
USBメモリからChrome OSを起動してみる
USBメモリを使ったインストールメディアが作成できたら、早速USBメモリからChrome OSを実行してみよう。
Chrome OS Flexは、BIOS/UEFIのどちらにも対応するので、USBメモリから起動できるように、パソコンのBIOS画面で設定を変更しておこう。
ちなみに、VAIOは「ASSIST」ボタンを押すことで「USBメモリーからの起動」が指定できるので、簡単にUSBメモリからChrome OSが起動できる。
パソコンにUSBメモリを接続して起動するとChromeのロゴが表示され、セットアップ画面が表示される。まずは言語とキーボードを日本語に設定して「始める」をクリック。
次に、パソコンにChrome OS(CloudReady2.0)をインストールをするか、USBメモリから起動するか選択する画面が表示されるので、必ず「試してみる」を選択しよう。もし、インストールしてしまうと、パソコンのWindows OSが失われてしまうので注意したい。
そのあとは画面に従って設定していけばいいが、Wi-Fi接続、Googleアカウントでのログイン、Androidスマホとの同期、Googleアシスタントの設定などのセットアップを行っていく。
「これで準備完了です」と表示されれば、Chrome OSが起動してデスクトップ画面が表示されるはずだ。
VAIO以外のパソコンでUSBメモリから起動する方法
今回使用したVAIOは「ASSIST」ボタンが装備されたいたので、簡単にUSBメモリからChrome OSを起動できたが、それ以外のパソコンではBIOS(UEFI)を起動してUSBメモリ・ブート(BOOT)に設定変更する必要がある。
BIOSの起動方法はパソコンごとに異なるので自分で調べてほしいが、パソコンの電源をオンにしてから「F2」「F8」「Delete」キーなどを押すことで起動できるはずだ。
BIOS画面が起動したら、どのデバイスからOSを起動(ブート)するかを指定できる「BOOT」画面を表示し、1st BootにUSBメモリを指定すればいい。
設定を変更したら「F10」キーなどで設定を保存して再起動すると、USBメモリからChrome OSが起動できる。
なお、USBメモリからChrome OSを起動せず、Windowsを起動したいときは、BIOS画面で1st BootにWindowsが入っているデバイス(Cドライブ)を再設定してやる必要がある。
まとめ
いかがだろうか? 今回は8年前の古いVAIOをChromebookとして使う方法を紹介した。長期的に使用すれば何か不具合があるかもしれないが、最初に外付けマウスがフリーズしたくらいで、今のところ問題なく動作している。
Chrome OSは軽いので起動も10秒程度しかかからないし、操作も実に軽快だ。これなら、Windows 11にアップグレードできない古いパソコンは、Chromebook化して延命するのもアリだろう。
ただし、現状の「Chrome OS Flex」は、Chromebookと違いGoogle Playストアがなく、Androidアプリの動作もサポートされていない。基本的にはすべての作業をWebブラウザ「Chrome」で行うことになる点は覚えておこう。