Windows 11にアップグレードできない古いノートパソコンをChromebook化して快適にする技

いよいよ2025年10月でWindows 10のサポートが終了されますが、Windows 11にアップグレードできないなノートパソコンは、どうすればいいのでしょうか? 古いノートパソコンの延命手段としては、Googleが無料で提供している「ChromeOS Flex」を利用してChromebook化する方法もあります。そこで今回は、8年前のノートパソコンをChromebook化する方法を紹介しましょう。

そもそも「ChromeOS Flex」って何なの?

古いノートパソコンはWindows 11のシステム要件をクリアできずアップグレードできない場合も多いでしょう。そこで、ぼちぼちWindows 11対応ノートパソコンに買い替えようと考えている人も多いと思います。でも、古いノートパソコンを捨てるのはちょっと待ってください。

実は、Googleでは「ChromeOS Flex」を無料公開しています。これはモバイルパソコン「Chromebook」で利用されているパソコン用OSのこと。ChromeOS Flexの動作は非常に軽く、Windowsのように高い性能を要求しないので、動作が重くなった古いノートパソコンでもサクサク動作するのが特徴です。

つまり、古いノートパソコンにChromeOS Flexをインストールすれば、ネットブックのようにサクサクと軽快に動作するChromebookに生まれ変わるんですね。

●Google「ChromeOS Flex」(公式)→こちら

ChromeOS Flexのシステム要件はIntelまたはAMDの64bit CPU、メモリ4GB、ストレージ16GBとなっており、IntelのCPUを搭載したMacでも利用可能です。ただし、この条件をクリアしていても、2010年以前のパソコンでは不具合が出る場合があるとのこと。

GoogleではChromeOS Flexの認定モデルリストを公開していますので、手持ちノートパソコンが該当するか確認しましょう。ただし、このリストにないノートパソコンでも動作する可能性は十分あります。

そこで今回は、筆者が8年前に購入した「Dell XPS13(9350)」をChromebook化してみます。このノートパソコンは第6世代Corei7-6560Uでメモリは8GBですが、ChromeOS Flexの認定モデルリストには乗っていません(XPS13の9300や9310などはリストにアリ)。果たしてChromebook化できるのでしょうか?

●ChromeOS Flexヘルプ「認定モデルリスト」は→こちら

筆者が2016年に購入した「DELL XPS13(9350)」は13.3インチのノートパソコン。認定モデルスリトにはありませんでしたが、スペック的にChromeOS Flexは余裕で動くはずです(筆者撮影)

ちなみに、ChromeOS FlexはChromeOSとほとんど同じ機能を持っていますが、AndroidアプリやGoogle Playをサポートしていません。また、Parallels Desktopを使用するWindows仮想マシン(VM)の実行をサポートしないなどの違いがありますので、詳しくはChromeOS Flex公式サイトでご確認ください。

●ChromeOS Flexヘルプ「ChromeOS FlexとChromeOSの違い」は→こちら

まずはChromeOS FlexのUSBインストーラーを作成する

今回試用する「Dell XPS13(9350)」は、認定モデルリストになかったので、不具合が出る可能性もあります。そこで、いきなりWindows OSを消去してChromeOS Flexを上書きせず、USBメモリからBOOT(起動)させて「ChromeOS Flex」を試用することにしました。

そのためには、ChromeからChromebookリカバリユーティリティを使用し、USBメモリにインストーラー(BOOTメディア)を作成しましょう。

まず、ノートパソコンに余計なストレージを接続せず、8GB以上のUSBメモリだけを挿します。もちろん、USBメモリ内のデータはすべて消去されてしまうので、大切なデータは事前にバックアップしておくこと。次に、ノートパソコンでChromeを開き、chromeウェブストアで「Chromebook リカバリ ユーティリティ」を探してChromeの拡張機能に追加します。

●Chromebook リカバリ ユーティリティ(公式)→こちら

そして、Chromeの拡張機能から「Chromebook リカバリ ユーティリティ」を起動すると、「Chromebookのリカバリメディア作成」画面が表示されるので「始める」を押しましょう。「Chromebookの識別」画面では、メーカーを選択で「Google ChromeOS Flex」を、製品を選択で「ChromeOS Flex」を選択します。

あとは、インストール先にUSBメモリを指定してリカバリイメージを作成するだけです。作業は10〜15分程度かかりますが、「リカバリメディアの作成が完了しました」と表示されればOKです。

ChromeOS FlexのUSBインストーラーを作成する手順

まずは、ノートパソコンに8GB以上のUSBメモリを挿入します。もちろん、USBメモリ内の全データが消去されますのでご注意ください(筆者撮影)

Chromeを起動したらchromeウエブストアで「Chromebookリカバリユーティリティ」のページを開き、右側にある「Chromeに追加」をクリックします

「Chromebookリカバリユーティリティ」を追加しますか? と表示されたら「拡張機能を追加」をクリック(上写真)、続いて拡張機能一覧から「Chromebookのリカバリユーティリティ」を選択しましょう(下写真)

すると、別ウインドウで「Chromebookのリカバリメディアの作成」画面が開くので、画面右下の「始める」をクリックします

「Chromebookの識別」画面では「リストからモデルを選択」を押し、メーカーを選択で「Google ChromeOS Flex」を、製品を選択では「ChromeOS Flex」を選択して「続行」を押しましょう

続いて、先ほどノートパソコンに接続したUSBメモリを選択して「続行」を押します

「リカバリ イメージの作成」画面が表示されるので、「今すぐ作成」をクリック。途中「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されたら「はい」を押します

10分ほどで「リカバリメディアの作成が完了しました」と表示されるので、「完了」を押します。このあと「ドライブをフォーマットする必要があります」と表示されてウインドウが大量に開きますが、すべて「キャンセル」を押せば大丈夫です

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