後を絶たないインターネット詐欺の被害。世界中で増加傾向は止まらず、アメリカの連邦捜査局(FBI)の報告では2021年のインターネット犯罪による被害総額は69億ドルを超え、2020年に比べて20億ドル以上増加したという。
その傾向は日本も例外ではなく、2014年以降増加傾向が続いている。お金をだまし取られた後に取り戻すことはとても難しいので、だまされないようにするのが一番の対策だ。
ネット詐欺カテゴリ1位はワンクリック詐欺
3月28日、BBソフトサービス株式会社は「2021年 年間インターネット詐欺リポート」を発表し、昨年のインターネット詐欺がどのような傾向であったか紹介した。BBソフトサービス株式会社が提供するネット詐欺対策用セキュリティソフト「詐欺ウォール」で検知したネット詐欺サイトは3,400万件を超えた。
最も多かったのは「ワンクリック詐欺サイト」、次いで「偽物販サイト」という結果だった。ワンクリック詐欺は契約自体が成立していないため、支払い義務は生じない。万が一、連絡がきても無視をするのがベストな対処法だ。また、偽物販サイトはありえないような激安価格、ECサイトには掲載が必要な「特定商取引法に基づく表記」や利用規約を掲載していない、日本語がおかしいなどの不自然な点も多い。本当に信用できるECサイト以外は購入しないようにするしかない。
そして最も気を付けるべきなのは3位の「フィッシング詐欺サイト」だろう。クレジットカード番号やユーザーID、パスワードなどのアカウント情報、氏名、住所などの個人情報を盗み出すフィッシング詐欺。一般社団法人日本クレジット協会が発表したクレジットカード不正利用被害額の発生状況によると、カード番号盗用による被害額は2021年1月から9月までで223.9億円にものぼり、すでに2020年の1年間の被害額(223.6億円)を上回っているほどなのだという。
BBソフトサービスのレポートでは、2021年に詐欺ウォールで検知した「大手企業をかたるフィッシング詐欺サイト2021年ブランドランキング」も発表されている。最も名前をかたられてしまった不名誉な1位は「三井住友カード」で全体の3割近くを占めた。クレジットカード会社側から利用者へアカウント情報やカード番号、暗証番号等について、電子メールで問い合わせが来ることはない。怪しいと思ったら、必ずクレジットカード会社などに問い合わせをして欲しい。
ランキング上位には昨年に引き続き、「Amazon」「楽天」などのクレジットカード事業も手掛けている大手ECサイトも入っているが、「メルカリ」や「ETC利用照会サービス」のほか、各種携帯キャリアのランクインも目立つ。これらのサイトのログインIDやパスワード、紐づけたクレジットカード番号を盗用する手口も増加していることを頭に入れておいた方がよさそうだ。
国やクレジットカード会社もそれぞれ対策をしているが、それを上回るスピードで次々と新しい手口が編み出してくるのが詐欺サイトの恐ろしいところだ。今回のランキングに乗ってしまったサービスの利用者だけでなく、身に覚えがない人も、うっかり引っかからないように注意したい。
出典元:2021年 年間インターネット詐欺リポート 金融系以外のサイトを狙って個人情報を盗む手口が増加 ダークウェブで販売の可能性も【Online Security】
※サムネイル画像は(Image:「BBソフトサービス株式会社」プレスリリースより引用)