みなさんは“ブラウザ”と聞いて何を思い浮かべるだろうか。世界中で広く使われているグーグルの「Chrome」に続くデスクトップ用ブラウザの第2位に、ついにマイクロソフトの「Edge」が躍り出た。「Firefox」やアップルの「Safari」など、2位以下は混戦状態が続く中で、
ブラウザシェアから抜きんでるきっかけとなった“新生Edge”と、今後の見通しについてお伝えしていきたい。
ウェブブラウザ・Edge、ついに業界2位に!
マイクロソフトのブラウザEdgeのデスクトップ用ブラウザシェアが、アップルのSafariを抜いて、ついに業界2位というニュースが飛び込んできた。ウェブ解析を行うstatcounter社によると、2022年4月の時点でのデスクトップのブラウザ市場でトップを独走中なのは、グーグルの「Chrome」で66.64%。ついで「Edge」が10.07%を占め2位の座を確保し、3位に「Safari」が9.62%をつける格好となっている。
前年4月のシェアでは「Safari」9.85%、「Edge」7.96%と大きく離されていたにもかかわらず、Edgeはその差を埋めて2位に躍り出たのだった。
2015年リリース以来、鳴かず飛ばずだったEdgeの大躍進の背景には、2021年の2つの大きなテコ入れの影響が挙げられるだろう。1つはもちろん、2021年秋のWindouws11のリリースだ。そしてもう1点、見逃せないのは、グーグルのChromeと同じChroniumコードを使用して、“新生Edge”に生まれ変わったことと関連付ける人は多いのではないだろうか。あの手この手の仕様変更を繰り出してきたマイクロソフトも、ホッと胸をなで下ろしていることだろう。
Edgeといえばこれまでにも、Windows 11の各種機能でブラウザを開く際に、どんなブラウザを「既定のブラウザ」に設定していても強制的にEdgeで開くように仕様変更がかけられていた。一方で「Edgeを使ってやるものか」というユーザーが、任意のブラウザを使用できるようにするフリーソフトを開発するなどの“抵抗”も見せており、ネット上では「是が非でもEdgeを使わせたいマイクロソフト VS 強制を回避する方法を編み出したいユーザー」という、対立構図も話題となっていたことをご存じの方もいるだろう。
また、マイクロソフトの検索サービス「Bing」で「Chrome」と検索すると、マイクロソフトによるプロモーションでEdgeの利用を推奨するコメントが表示されるという、どこまで効果があるかは不明な対策が取られていることも、たびたびネット上で話題となっている。
さまざまな施策で、ようやくシェア2位の座をつかむことのできたEdge。はたして今後はこのシェアを維持・拡大することができるのだろうか。これからWindows 10のサポート終了に向けてWindows 11のユーザーが増えることは確実だが、そこでどれだけEdgeに引き込むことができるのか。今後の展開にも注目していきたい。
出典元:Desktop Browser Market Share Worldwide【Statcounter Global Stats】
※サムネイル画像(Image:monticello / Shutterstock.com)