日常生活は、個人情報がもれる危険性と隣り合わせといえる。とくにインターネットは普及した昨今では、SNSやネットショッピングなどで、自身の個人情報を求められる機会が増加したといえる。だからこそ、多くのサービスでは、IDやパスワードの設定を求め、個人情報の保護の努めているといえる。
だが、個人情報を守るためには、ただパスワードを設定するだけでは足らず、サービスごとにパスワードを変えるなどの工夫が必要といえるだろう。
しかし中には、パスワードさえ設定されていれば安心と、どのサービスもすべておなじパスワードを設定している人も少なくないという。「AironWorks株式会社」の調査によると、なんと4割以上が該当していた事実が明らかになったのだ。
8割以上の人がパスワードの使いまわし経験があると回答!
AironWorks株式会社が全国の10代~70代の男女716名を対象に行った「フィッシングメール・サイバーセキュリティに関する実態調査」によると、人々のセキュリティに対する捉え方について驚きの事実が発覚した。なんと「プライベートで利用するウェブサービスやアプリにおいて、少なくとも1つ以上ウェブサービスやアプリで同じパスワードを使いまわしている」と回答した人が、87.6%も存在したのだ。
使いまわしの回数については、5個以上の回答が最も多く、44.1%もいたのである。よくないことではあるが、1個や2個の使いまわしならば筆者も覚えがあるが、5個以上となると素人目にみても、かなりセキュリティ的によくないのではと思えてしまう。
使いまわしてしまう理由として予想されるのは、やはり一つに絞った方が便利である点だろう。パスワードを一つひとつ違うものに設定してしまうと、「これだ!」と思っていたものが外れたとき、自分の覚えている限りのパスワードを試すこととなり、結果ログインにかなりの時間を要してしまうことも少なくない。
一つのパスワードのみ使いまわせば、簡単にログインできるため、無駄な時間を使うことがなくなるといえる。利便性を考えれば使いまわしてしまう心理に共感するが、やはり個人情報漏えいのリスクを考えると、なかなかよい手だとは考えられない。
会社とプライベートで、パスワードを使いまわしている人も少なくない
調査では、さらに不安にさせる回答が。なんと「仕事で使用しているシステムやアプリのパスワードがプライベートのものと同じ設定になっている数は」という質問に対し、26%の人が、3個以上のサービスで同じ設定になっていると回答。もしどこかからパスワード情報が漏れてしまい、他人が会社の管理システムなどにログイン可能な状態となってしまえば、会社を危機的な状況に追い込んでしまう危険性もあり得る。
また、仕事で使用しているパスワードの管理方法について、「パスワード管理機能」を使用していると回答した人は8.1%と2桁を下回ったのに対し、「暗記する」と答えた人は27.2%もいることが明らかとなった。これは全部のサービスを同じパスワードに設定している人が多いことにもつながっていると予想される。
一つのパスワードですべて対応が可能であるため、メモを確認する手間も省けかなり楽になるといえるだろう。しかし、セキュリティ上危険であることには変わりないため、やはり注意が必要だ。また、スマートフォンや紙にメモをして残している人も2桁を越えており、他人に見られるリスクを承知の上で、利便性をとってしまうとの実態が浮き彫りになったといえる。筆者もつい、ノートにメモ書きで残してしまうが、セキュリティ面で考えるとたしかに危険であると反省した。
個人情報は常に狙われている、とよく耳にするが、普段の生活ではなかなか実感しにくいだろう。しかし、危険を回避するため、パスワードを使いわける意識を持つことは大切なことといえるだろう。
出典元:働く人の4割以上がパスワードを使いまわし?AironWorksがサイバーセキュリティの実態を独自調査【AironWorks】