表計算ソフトとしてビジネスシーンに定着する「Excel」。表計算やデータ分析、グラフ作成など幅広い用途で使用できることから、一度は使ったことがあるまたは10年以上にわたり使い続けているビジネスパーソンは多いはずだ。しかし、周囲の人や他社のExcelに対する評価を目にする機会はなかなかない。「Excelはこういうもの」と受け入れて使い続けてはいないだろうか。今回、Excelによるデータ管理業務の実態調査結果が発表された。その内容は、Excelユーザーのリアルな意見にあふれている。
顧客管理や案件管理……幅広く使われているが不満やデメリットが噴出
デジタルとデータを活用したコンサルティングやシステム開発を手掛けるKUIXは、Excelを活用したデータ管理業務の実態を調査。1,287名の会社員を対象にしたインターネットリサーチの結果として発表された。なぜ、Excelの使用実態を調査したのか。同社は、Excel業務は「属人化しやすい」「ヒューマンエラーが発生しやすい」などの課題からDXの対象になるものの、改善できていない企業が散見すると説明している。つまり今回の調査には、Excelの課題を共有したうえで、効率的な業務につなげてほしいという想いがある。
「複数のExcelをまとめてデータ管理をしているか」の問いについて、「している」と回答したのは65.2%にのぼった。その内訳は、顧客管理や案件管理、予算管理、タスク管理が30%台で上位を占め、その他にも問い合わせ管理、受発注管理、ヒヤリハット管理など部署ごとの用途も見受けられた。
幅広いシーンで使用されている一方で、Excelへの不満も積み重なっているようだ。「Excelでのデータ管理で困っていること」の設問では、「大容量のデータ処理ができない」、「複数人による同時編集ができない」、「ファイルが複数発生し最新版がわからない」、「管理が属人化してしまう」といった、さまざまな困りごとに票が集まった。大多数のユーザーがExcelを活用しているものの、不満を抱えながら使用しているのがリアルな状況であることがわかる。
不満はあるものの「脱Excel」までは踏み切れない……
Excel以外にも、表計算ソフトとしてはGoogle社が提供する「Googleスプレッドシート」などが存在する。先述の不満を解消する特徴をもつ表計算ソフトもあるなか、「脱Excel」に踏み切っている企業はまだ少ないようだ。「脱Excel(他システムへの移行)を試みたことはあるか」と項目で「ある」と答えたのは24%にとどまり、「検討している・対応中のものがある」は23%、「ない(予定もない)」にいたっては53%にものぼった。
保守的な企業ほど、いちサービスの切り替えでも慎重になるはずだ。また、Excelに対して不満やニーズがあるものの、利便性をしっかりと認識していることも継続利用につながっているに違いない。ただ、業務効率化を図るうえでは、Excelの適切な使用とあわせて、業務改善のプロフェッショナルへの相談も検討するのも一策かもしれない。
出典元:【株式会社KUIX/PR TIMES】
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