仕事では中堅どころに昇進し、プライベートでは家庭を築くことが多い30代。しかし経験を重ねることでさまざまな責任が大きくなり、ストレスや将来の不安につながることもあるだろう。そこで今回は、キャリア・転職情報メディア「ポジサラ」を運営する株式会社ACILが実施した「キャリアに関する悩みの調査」を紹介。少しでも自身の将来やキャリアに悩む人の参考になれば嬉しい。
キャリアに悩む男性は「やりたいこと」や「キャリアアップの方法」がわからない
まずは男性の悩みに着目すると、一番多かったのが「将来のキャリアに関する漠然とした不安」であった。「昇進やキャリアアップのチャンスを逃したくないがどうすべきかわからない」という声が挙がっており、具体的な目標などが定まっていないために、どのように行動すべきかわからない人が多いようだ。ほかにも「そもそも自分のやりたい仕事がわからない」「向いている仕事がわからない」など、仕事への興味関心について悩んでいる男性が多い様子。
次いで「年収アップやキャリアアップの方法がわからない」と「職場の人間関係」が同率で第2位に。キャリアアップのためには、地道に努めて出世していくか、より良い待遇の企業に転職するかの2つが考えられる。しかし、「目の前の上司になりたいわけではない」と感じてキャリアアップが正しいかどうかもわからない人もいるようだ。役職が上がれば給与は良くなるが、その分業務量や責任も増える。そのような状況に自分が適応できるかどうか不安を覚える人も少なくない。転職についても必ずしも理想的な職場に就ける訳ではなく、そもそも理想の企業が見つからないという人がほとんどだろう。
人間関係では、社内の派閥争いやディスコミュニケーションなどで、仕事が円滑に進まないことが多々ある模様。また、社員同士の距離が近く、プライベートと仕事の境界が曖昧なためにストレスが溜まるというケースも。組織で働く上で人間関係は重要なファクターであるが、大きな負担にもなり得るため、どうしても解決しそうにない場合はその組織を離れる選択も検討してもいいかもしれない。
女性は「仕事と家庭の両立」に悩む人が多数
現状の仕事や職場環境に対する懸念が多い男性に対し、女性は仕事と結婚や育児などの両立に不安を感じている人が圧倒的に多かった。ただでさえ仕事と家庭のバランスを取るのが難しいため、自分のための時間はなかなか取れないことが多く、そのことが大きなストレスになっている。とくに子どもの成長などの家庭内での変化が生じると、仕事をこなすことにも支障をきたすことが増えるようで、身体的、精神的そして時間的にも余裕がなくなってしまうと感じてしまうようだ。
女性の第2位の悩みは「将来のキャリアに対する不安」。男性でも多くの声が挙げられているが、女性の場合は家庭について考える人も多く、「出産や育児などでキャリアアップのチャンスを逃してしまうのでは」と不安を感じてしまうようだ。また変化しやすい現代で自分のスキルが本当に通用するかわからないという声も寄せられている。
第3位は男性では第2位だった「年収アップやキャリアアップの方法」についての悩み。「職場での評価基準が定まっていないので、どのようにすれば昇進できるかわからない」などの声が挙がっており、男性とおおむね同じ理由であった。現在は男女公平を謳う企業が多いものの、やはり出産や育児で会社を休むことが多い女性は男性と比べると出世の機会は少なく、男性とは別の視点で自身のキャリアに悩む人が多いようだ。
仕事をする以上、男女ともにキャリアについての悩みは尽きないだろう。給与などの待遇の問題だけでなく、仕事内容や人間関係など多様な要素が複雑に絡み合うため、ただひたむきに努力すればよいというものでもなく、人によってはそもそも努力の方法がわからないという人もいる。キャリアアップする絶対的な答えはないが、明確な将来のビジョンを持ち、そのために何が必要かを考えることは理想的な人生を過ごすために重要になると考えられる。
出典元:【ポジサラ】
※サムネイル画像(Image:Anastasia MiPhoto / Shutterstock.com)