現代では若手のうちから転職することも珍しくなく、もはや、新卒で入社した会社で定年まで働き続ける人のほうが貴重だろう。転職する上で重要になるのが、「次の職場に何を求めるか」ということだ。価値観や考え方が目まぐるしく変わる昨今で、今の20代はどのようなことを企業に求めているのだろうか。
20代が最も大切にするのは「待遇・働き方」
株式会社ACILが運営する転職情報メディア「ポジサラ」によると、20代が転職先を選ぶ際に最も重視するのは「福利厚生や給与などの待遇・働き方」であった。「最近の物価高を考えると、それに対して安定的な収入が必要」「どれほどやりたい内容の仕事でも、お金がもらえなければ生活も娯楽もできないし、生きている意味を見出せない」という声が寄せられている。将来に対する不安や現在の不景気から、仕事内容ややりがいよりも、安定的な収入や生活の質の向上を目指す20代が圧倒的に多いようだ。
第2位は「仕事内容と自分の経験・スキルの相性」。成長速度がはやい20代のうちに自分に合った業務内容や仕事の環境を見つけたい人も多く、将来のキャリアアップを見据えて仕事を選んでいるようだ。また、自分のスキルや性格に適した仕事内容でなければ、働き続ける意欲が低下してしまうという声も挙がっており、モチベーションを維持するためにも、やりがいを大切にしているのかもしれない。
女性は人間関係や会社の雰囲気を重視する傾向
転職先を選ぶ基準として、待遇や仕事内容についで多かったのが「社風や会社の雰囲気」だ。仕事内容や給与以上に人間関係を重視する人は少なくなく、社内の雰囲気が悪ければ労働意欲も下がるため、社員だけでなく会社としても、この点を配慮したいところだろう。また「髪色指定がある企業や、アクセサリー禁止などの古い考えを持っている場所では働きたくない」と、現代の価値観にそぐわない会社に対してよくない印象を持つ人も。今回のアンケ―トでは女性の回答者が多く、女性は会社の雰囲気や人間関係のよさを意識して、転職先を探す傾向にあるようだ。
企業の規模や成長性も転職する上で重要なファクターだ。会社に将来性がなければ、社内で活躍しても好待遇を期待できない。そのため転職の際には、成長性や将来性を分析して企業や業界を決めるという人もいる。歴史の浅いベンチャー企業でも安定した収益を挙げている一方で、大手企業でも破産の危機を迎える状況も少なくない。業界の動向や企業の収益性などはチェックしておいた方がよいだろう。
今回のアンケートでは、待遇を重視している人が多いことがわかったが、もちろん給与や福利厚生が良ければそれで良い、というわけではないだろう。とくに詳細な仕事内容や人間関係は実際に就職してみなければわからず、せっかく転職しても「業務内容が思っていたものと違う」「会社の居心地が悪い」などの理由で、また辞めたくなってしまうことも。転職の際は企業の口コミや面接の際の質問など、できるだけ情報を集めることが転職で失敗しない秘訣だ。
出典元:【ポジサラ】