さまざまな業界で注目を集めるChatGPT。とくに、技術の最先端を担うIT業界では活用している企業も多いと考えられる。そこで今回は、株式会社IDEATECHが運営する「リサピー®️」がIT企業の経営者100名を対象に実施したアンケート調査を紹介。IT企業ではどのような活用がされているのだろうか。
ChatGPTの一番のメリットは「アイデアのヒントがもらえる」こと
まず、ChatGPTの利用認可について聞くと、利用を「認めている」と回答したのは42%。そのなかで実際に「利用している」と回答したのは59.6%であった。ChatGPTの利用を企業が認可していても、社員が使っているのは6割ほどしかおらず、残りの4割はどのように使えばよいかわからず、AIサービスを持て余しているようだ。
次にChatGPTのメリットについて尋ねると、半数が「アイデアのヒントをもらえること」が利点だと考えているようだ。そのまま採用できるような妙案を考えてくれることはめったにないだろうが、自分では考えつかない角度からアイデアを提示してくれることもあるため、想像力を刺激してくれる点に期待したい。
そのほか「リサーチや業務の時間を短縮できる」「自然な文章での回答を得られる」など、作業の効率化を図る声が挙がっている。調べものや文章の要約などは、自分で行うよりも早く対応してくれるが、内容によっては知ったかぶりすることや、間違った要約をすることもあるため、最後は人間の確認が必要だ。
ChatGPTをうまく活用することが、将来の効率化につながる?
一方で、デメリットに感じる点について調査すると、やはり1番多かったのが「正確ではない回答をおこなう場合がある」という意見で、63%にまで上っている。ついで「情報セキュリティに懸念がある」「不適切な言葉や表現を使用する場合がある」などの回答が続く。AIはまだそれらの点を学習していないようなので、外部に開示するような文章を作成する際は、とくに注意したほうがよいだろう。
ChatGPTの利用率はまだまだ高いとは言い難いが、活用を前向きに考えている人は合計53%と半数を超えている。具体的に活用したい業務を聞いたところ、やはり「アイデア提案」や「文章の生成」が上位に挙がった。「データ収集・分析」については詰めが甘い部分もあるが、今後、さらに学習が進むことで精度は高まっていくと考えられる。
ほかにも「問い合わせ対応」に活用したいという意見もあり、自由回答では「コールセンター業務のサポート」や、「24時間対応サービスのレスポンス向上」など、人力では負担が大きい業務を代替させることに期待する人が多いようだ。
今回の調査対象はIT企業の経営者ということもあり、ChatGPTなどのAIサービスに対する意識は比較的高いことがうかがえた。まだ多くのリスクを抱えているものの、アイデアの考案や膨大なデータの活用など、多くのメリットやポテンシャルを秘めているといえる。今後、さらにAIサービスが進化していくと考えられるため、今のうちから使いこなしていくことが、将来の業務効率化につながるかもしれない。
出典元:【IDEATECH】
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