昨今、世界中で注目を集めている「ChatGPT」をはじめとした対話型のAIサービス。アイデアの提案やプログラミング、文章の作成、要約、翻訳など高いポテンシャルを秘めており、実際に活用している企業も珍しくない。今回はそのようなAIについてのアンケート調査を紹介する。
前年よりもAIへの期待値は向上!
NTTドコモ モバイル社会研究所が前年に引き続きAIサービスについての調査を実施。ChatGPTなどのコミュニケーション(対話型)AIサービスに対して、期待を寄せているか不安を感じているかのアンケートを行った。
全体で見ると2023年の「期待が大きい」「どちらかといえば期待が大きい」の割合は2022年次の43.1%よりも大きくなり、51.5%に。LINEなど身近なサービスでChatGPTを気軽に触れられるようになり、AIに対する理解度や利用率が高まったことが期待値向上の要因だと考えられる。
一方、利用が多くなったことで、AIのデメリットや懸念点も浮き彫りになり、2022年と比較するとわずかではあるが「不安が大きい」「どちらかといえば不安が大きい」と回答した割合も増加した。とくにAIによる情報流出の危険性は大きな問題として、いまだ取り上げられており、プライバシー保護の観点では利用のリスクが高いといえよう。
10代~20代の約6割がAIに期待を寄せる
続いて、調査結果を職業別に見ると、学生は計61.6%が期待していると回答。2022年次の調査では計54.5%であったため、とくに若い世代には順調に普及しているようだ。業務の効率化というよりも、遊び目的として質疑応答などのコミュニケーションサービスを楽しんでいるのかもしれない。そのほかの職業は、期待している割合はおおむね50%ほどで、大きな差は見られなかった。
最後に、年代別に調査したところ、やはり10代の期待する声が計60.5%と最も大きく、ついで20代が56%で、若者の最新のテクノロジーサービスに対する期待値の高さがうかがえる。年代が高くなるごとに期待値が減るか、と思われたがそうではなく、60代以上でも期待する声は5割近いという結果に。ただし、年代が高まるごとにAIについての理解度が下がっていることがわかる。
逆に言えば、AIサービスの活用方法などをうまく普及できれば、年代を問わず期待値が高まる可能性が高い。AIのデメリットやリスクをどのように回避していくかということと、いかにして活用の幅を広げていくかが、今後の課題になるのではないだろうか。
今後、AIは間違いなくさらに進化し、仕事でもプライベートでも身近なサービスになっていくだろう。そうなるとAIを使いこなす技術が求められてくるため、今のうちにChatGPTなどに触れておくのが吉かもしれない。
出典元:【モバイル社会研究所】
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