人間さながらの理路整然とした文章で、世間を驚かせているChatGPTの普及により、一気に市民権を得た印象がある「対話型AI」。ChatGPT=対話型AIという構図は、今となっては一昔前の考えになっているといっても過言ではない。というのも、世界各国で生成AIの研究開発が活発化し、Microsoftをはじめとしたジャイアントも対話型AIの研究を進めている。
その結果、いまではMicrosoft Bing AIやLINE AIチャットくんなど、われわれの身近なフォーマットで対話型AIを気軽に活用できる状況だ。はたして、いま現在世間から支持される対話型AIとしてトップに立つのはどのサービスなのか。興味深い調査結果が発表されているので紹介したい。
ChatGPTが、2位にほぼダブルスコアで「利用経験No.1」! 知名度に比例する結果か
6月7日、MMDLaboは同社が運営するMMD研究所が実施した「ChatGPTに関する調査」の調査結果を発表した。対話型AIサービスのなかからChatGPT、Microsoft Bing AI、LINE AIチャットくんの3サービスを対象に、各サービスの利用実態を解明した内容となっている。
15歳から69歳の5,000人を対象に調査したところ、「対話型AIサービス3つの認知・利用状況」の項目では、サービス間に明確な差が表れた。ChatGPTの利用経験率(1カ月以内に利用した、過去利用したことがある)は10.0%と、Microsoft Bing AIの6.1%、LINE AIチャットくんの5.8%に大きく差をつけてトップという結果になった。
認知度を含めると、ChatGPTは50%弱となり、他2サービスとは圧倒的な差になる。その先進性を感じさせるサービス内容がニュースや報道番組で取り上げられたこともあり、幅広い層に認知されたことがうかがえる。
各対話型AIサービスを1カ月以内に利用した回答者を対象に「利用頻度」を調査したところ、「ほぼ毎日」利用する層はMicrosoft Bing AIが40.6%とChatGPT以上の数値を記録。ChatGPTは一般層にも認知されている分トライアル利用も想定されるが、Microsoft Bing AIはビジネスパーソンや学生など、日常的にAIのサポートを必要とする“ガチ勢”が利用しているのかもしれない。
ChatGPTの利用シーンは情報収集やアイデア出し…、ビジネス業務のいたるところで活躍
対話型AIサービスの暫定トップといえるChatGPTは、ビジネスパーソンのどのような業務で利用されているのだろうか。「ChatGPTの利用シーン」の問いで最も回答が多かったのは「情報収集をするとき」で34.4%。その他に「アイディアだし」や「文書や動画の内容要約」など、地味に時間と労力を必要とするシーンで利用されているのがわかった。また、電子メール作成やプレゼンテーション資料などもChatGPTの活躍領域となっており、優秀なアシスタントとしてビジネスシーンに欠かせない存在として、着実に地位を築いているようだ。
対話型AIをはじめとした生成AIは適切な使い方が議論されており、ルール化が進めば安心感をもって利用する層は増えるはずだ。その新規ユーザーが指名する対話型AIはどれになるのだろうか。ここ1年でランキングに変動が起きても不思議ではない。
出典元:【MMD研究所】
※サムネイル画像(Image:Vitor Miranda / Shutterstock.com)