4Gに加え、特に都市部では、5Gが大きく普及し始めたことで、「モバイル通信のみで自宅のネット環境は十分ではないか」「新規に光回線などを契約する必要はないのではないか」と、Wi-Fi無しでもやっていけると考え始めている方も多いのでは?
そこで今回は「スマホだけで自宅のネット環境は十分に整うか」について、スマホでのテザリングはもちろん、応用編としてホームルーターに格安SIMを差して使う方法なども解説します。
スマホだけで自宅のネット環境は構築可能?
結論から言えば、自宅が5G対応エリアかつスマホが5G対応の場合は「スマホだけ」でもネット環境として十分と言えます。ある程度十分でしょう。
一方で4Gのみの対応エリアの場合、ネット環境としては不安が残ります。「大容量・高速・低遅延」な5Gと比較し、4Gはやはり劣る部分も多いため「4Gしか使えない」のは様々な場面でストレスになるでしょう。
利用する基地局が同じなため、テザリングで5G回線を利用する場合も、通信速度は基本的に向上します。 環境によっては下り速度で最大100Mbps以上の高速通信も可能なため、テザリングの通信速度を速めたい場合は5G回線の活用がおすすめです。
Wi-Fiなしの場合はモバイル通信でのテザリングがほぼ前提
Wi-Fiなしの場合、基本的にはモバイル通信でのテザリングがほぼ前提となります。以下は、iPhoneでテザリングする場合の手順です。
ただし、テザリングは非常に電池の消費が激しいのが欠点。スマホのテザリングを固定回線の代わりに使いたいなら「私用スマホ」とは別に「テザリング専用機」が必要になる可能性が高いです。私用スマホを固定回線代わりに使うと、端末の寿命を縮めてしまうため注意しましょう。
Wi-Fiなしの通信のデメリット
自宅にWi-Fiなしでもスマホさえあればネットはできますが、デメリットが多いのは事実。
「テザリング専用スマホ」がほぼ必須となる
先述したように、スマホを固定回線代わりにすると電池の消耗が激しくなるため、テザリング専用スマホがほぼ必須となります。テザリング機能をたまにしかつかわないのであれば、この限りではありません。
「データ使い放題」プランが必須
モバイル通信を固定回線代わりに使う場合、やはりNetflixやU-NEXTといったVODサービスの利用や音楽配信、また「仕事でのネット利用」などの用途を考えている人は多いでしょう。これらは通信容量が大きいため、実質的に「データ使い放題」はほぼ必須です。
スマホ購入時にモバイル通信を固定回線代わりに使うことが決まっているなら、高速通信が可能なデータ使い放題を選びましょう。ただ、高速通信が可能なデータ使い放題が利用できるプランは少ないため、キャリア選びの幅は狭まります。
端末のバックアップやアップデートがしにくい
端末のバックアップやアップデートがしにくいのもネックです。
とはいえ、4G通信でiCloudバックアップを作成するとかなり「低速」であることも否めません。どうしてもモバイル通信でバックアップしたいなら、やはり5Gかつ大容量プランで行うことをおすすめします。
大容量のアプリのダウンロードがしにくい
5Gが「高速大容量通信」に対応しているとはいえ、テザリングで利用すると大容量アプリのダウンロードはやはりしづらくなります。
【その他】4Gと5Gが切り替わる際にパケ止まりが発生しやすい
たとえば楽天モバイルやahamo(アハモ)でも5Gは利用可能ですが、2023年現在はまだまだ5Gは「拡張期」。そのため基地局不足などによって、5Gに切り替わる際に電波が悪くなり「パケ止まり」が発生します。
先述したように、高速データ通信が可能な「データ使い放題」のモバイル通信プランは非常に少なく、実質的には「楽天モバイル」一択です。
【楽天モバイル】Rakuten最強プラン
「Rakuten最強プラン」と謳っている理由のひとつが、20GB超えの無制限プランが格安SIMを含め最安値なことです。
楽天モバイルは海外から日本にかける場合の通話料も完全無料です。さらに、海外ローミングによるデータ通信も2GBまでは無料で利用できます。
さらに5Gにも対応しており、順次エリアを拡大中。対応エリア内なら無制限利用が可能です。
【参考】楽天モバイルのSIMを5G対応ホームルーターに挿入して使うには
実は、楽天モバイルのSIMを5G対応のホームルーターに挿入して使うことで「格安SIMのルーター」を用意できる裏ワザがあります。
ドコモのホームルーター裏側にある挿入スロットや、トレイに楽天モバイルのSIMを挿入して設定することで簡単にルーターを用意できます。具体的な手順はこちらの記事で解説しています。
「使い放題」以外のおすすめプランの例:ahamo大盛り
「使い放題」ではないものの、「ahamo大盛り」プランもおすすめのひとつです。
自宅のネット環境が「スマホ」で十分な人とは?
楽天モバイルのような通信高速&大容量のプランを契約しているという人で、インターネットを利用するのが一人かつネットやちょっとした動画の視聴のみという場合は、自宅のネット環境が「スマホ」だけでも十分な可能性があります。
ただ、すでに何度も述べたように通常使用のスマホとは別にテザリング専用のスマホを用意しておくとよいでしょう。
自宅に本格的なWi-Fi環境を整えるのがおすすめの人とは?
インターネットを利用する人が一人以上、かつ複数台の機器をインターネットにつなげたい場合は本格的なWi-Fi環境を整えることをおすすめします。また、リモートワークなど家で仕事をする人や動画制作など大容量データを必要とする人、オンラインゲームを楽しみたい人もWi-Fi環境を整えたほうが良いでしょう。
【参考】1GBでできることの例
無制限プラン以外でデザリングを使用した場合、データ容量が少なくなってしまう可能性があります。1GBでどのようなことができるのか把握しておきましょう
1GBでできること | |
用途 | 利用可能な範囲 |
メール | 送受信:約20万通 |
LINE | 通話:約55.5時間 文字のみのトーク:約50万回 スタンプありのトーク:約20~40万回 |
YouTube | 低画質:約5時間 中~標準画質:約2時間 高画質:約1時間 |
音楽 | 再生・ダウンロード:250曲(1曲4MB換算) |
ゲーム | 約100時間(1時間10MB通信の場合) |
LINE
LINEアプリの通話なら1GBで約55.5時間の通話が可能。スタンプありのトークのやりとりも約20~40万回できるので、1GBでも十分です。ただし、動画が画像などを送受信するとデータ容量を消費します。
YouTube
YouTubeの動画視聴は、視聴する画質によって異なりますが低画質なら約5時間は視聴可能。標準画質なら1GBで約2時間しか見られません。高画質になるほどデータの消費は大きくなります。
音楽
音楽によりデータ容量は異なりますが、1曲あたり4MBで換算すると250曲の再生・ダウンロードができます。
メール
文字のみのメッセージであれば、1GBで約20万通のやり取りが可能です。しかし、画像や動画といった容量の多いファイルを添付するとデータ消費は激しくなります。
まとめ
「テザリング専用のスマホを用意できる」「高速データ通信が可能なデータ使い放題プランに入っている」という必要性はあるものの、インターネットを利用するのが一人かつそれほど動画を見ないという場合は、スマホのテザリングで十分と言えます。
一方で高画質で動画を見たい場合や仕事で利用したい場合などは、やはりWi-Fi環境を整えたほうが良いでしょう。
※サムネイル画像は(Image:「Apple」公式サイトより引用)