【GPTs】ノーコードで自分用のChatGPTを開発!作例やオリジナルGPTsの作り方を解説

ソースコードの記述をせずに、オリジナルのChatGPTを作成できるようになったのはご存じでしょうか。今回はノーコードで自分用のChatGPTを開発できる機能GPTs(GPT Builder)についての基本的な知識と作り方を解説するとともに、公開されているGPTsの作例を実際の画像を使ってご紹介します。

GPTsとは:ノーコードでオリジナルのChatGPTを制作可能

GPTsとは、ChatGPTをベースにノーコードでオリジナルのチャットサービスを作成できる機能です。

GPTsとは:ノーコードでオリジナルのChatGPTを制作可能

GPTsとは、アメリカOpenAI社が現地時間2023年11月6日に発表したコーディングなしで独自のチャットサービスが作成可能なサービスです。2024年2月時点では、GPTsを利用するには有料会員であるPlus(月額20USドル)、Team(月額25USドル)に加入している必要があり、Free会員は利用できません

GPTsの基本的な使い方

GPTsでできることや基本的な使い方を解説します。

公開されているGPTsを利用する

他の人が作成し、公開されているGPTsを利用できます。

公開されているGPTsを利用する

画像は後ほど紹介するGPTs「Logo Creator」を利用し、ロゴを作成してもらっている過程です。公開されているGPTsの数は2024年1月10日時点で300万個を超えており、Chat GPTの有料会員なら公開されているものであればすべて利用できます

オリジナルのGPTsを作成する

自分用にカスタマイズしたオリジナルのGPTsを作成できます。

オリジナルのGPTsを作成する

Chat GPTにログインし、左サイドにある「Explore GPTs」をクリックし、右上にある「+Create」をクリックすると、GPTs作成画面が開きます。コードを記述せずにGPT Builderと会話しながらオリジナルのGPTsを作成できます

作成したGPTsをGPT Storeで公開する

作成したGPTsをGPT Storeで公開できます。

作成したGPTsをGPT Storeで公開する

OpenAIは将来的にGPTの使用量に基づいて収入を得ることができる「GPT ビルダー収益プログラム」を開始すると発表しています。作成したGPTsをGPT Storeで公開し、収益化することが可能になります

一般公開されているGPTsの作例

実際に 一般公開されているGPTsがどういったものなのか具体的にご紹介します。

LegalGPT:法律相談が可能なGPTs

LegalGPTは、法律問題に特化したGPTsです。

 LegalGPT:法律相談が可能なGPTs1

LegalGPTは、弁護士や法律の専門家による事件調査や法的文書作成の支援を目的に作られたGPTsです。LegalGPTを使用することで、法律関連の専門知識を必要とせずに、法律文書の作成や法的アドバイスを得ることが可能です

参考元:LegalGPT

LegalGPT:法律相談が可能なGPTs2

一例として「悪質な行為を記録したYouTube動画を公開する。公開されたくなければTwitterで謝罪しろ」と言われた状況について質問してみました。するとLegalGPTは、刑法第222条、第223条について解説したうえでこのケースは「強要」に該当する可能性が高く、刑事事件として扱えるうえ、民事訴訟も可能という返答が来ました。精度はまだ一定のレベルに達していないように見えますが、参考になる条文などを調べる際の手助けにはなるでしょう

ちなみに刑法223条の強要罪は、暴行又は脅迫により人に義務のないことを行わせなければ成立しないので、この時点では相談者は謝罪のツイートをしていないので成立しません。成立するとしても、222条の脅迫罪に留まると考えられます。

Logo Creator:ロゴ作成が可能なGPTs

Logo Creatorは、簡単にロゴを作成できるGPTsです。

Logo Creator:ロゴ作成が可能なGPTs1

Logo Creatorを使うと、特定のスタイルやシンプルさのレベル、テキストの有無、ロゴタイプなどを選択することで、自分の希望に合ったロゴを作成することが可能です。2024年2月現在GPTs Store人気ランキング3位にランクインしているGPTsです

参考元:Logo Creator

Logo Creator:ロゴ作成が可能なGPTs2

試しに架空の社名を設定し、Logo Creatorに猫をモチーフにしたロゴを作ってもらいました。可愛いですし、名刺などにマークの部分だけをワンポイントで載せても良さそうですね

Write For Me:ライティングが可能なGPTs

Write For Meは高品質なライティングを目的としたGPTsです。

Write For Me:ライティングが可能なGPTs1

Write For Meは、品質や関連性、正確な文字数に重点を置いて文章を作成してくれるGPTsです

参考元:Write For Me

Write For Me:ライティングが可能なGPTs2

ただしWrite For Meはプラットフォームに応じた書き分けなどは不得意なようで、要注意。たとえばXに投稿する長文ポストを想定した「スパイスカレーを作る楽しさ」に関する文章を頼んだところ、長文の個人ブログやメルマガの記事のような見出しが生成されてしまいました

Write For Meが書いた文章を確認すると、「スパイスカレー作りの最大の楽しみは、自分だけの味を見つけることにあります。クミン、コリアンダー、ターメリックなど、さまざまなスパイスを自分の好みに合わせて組み合わせ、独自の味わいを生み出す過程は、まさに料理の魔法です。この探求は、料理に新たな次元をもたらし、毎回の料理を特別な体験に変えてくれます。」といった、現時点ではいわゆるAIっぽさが抜けない文章が生成されてしまいます。あくまで「文章が必要なときのたたき台」的な位置づけのGPTsと言えそうです。

GPTsを提供する国内の企業も登場

日々、多種多様な目的のGPTsが公開されていますが、国内でもGPTsを自社サービスに組み込み提供する企業が現れました。

カラーミーショップ:公式APIの使い方を解説するGPTs

ECサイト開設サービスのカラーミーショップでは、開発者向けページで公式APIの使い方を解説するGPTsを導入しました。

カラーミーショップ:公式APIの使い方を解説するGPTs

GMOペパボ株式会社が提供するカラーミーショップの開発者向けページでは、API定義を読み込ませて、APIの使い方や仕様について自然言語で問い合わせることができるGPTsを提供しています

(画像引用元:カラーミーショップ Developer「カラーミーショップ API (1.0.0)」

参考元:カラーミーショップ Developer

オリジナルGPTsの作り方

それでは実際にGPT Builderを利用し、オリジナルGPTsを作成する手順を解説します。

GPT Builder を立ち上げる

GPT Builder を立ち上げる

Chat GPTにログインし、左サイドにある①「Explore GPTs」をクリックし、右上にある②「+Create」をクリックするとGPT Builder が立ち上がります

GPT Builderに作りたいGPTsの内容を伝えてタイトルを決める

GPT Builderに作りたいGPTsの内容を伝えてタイトルを決める

GPT Builderに作りたいGPTsの内容を伝えます。するとタイトルの提案をしてくれるので、提案されたタイトルでよければ肯定して進みます。もちろん自分で考えたタイトルにすることも可能です。今回は「家の冷蔵庫にある食材で献立の提案とレシピを教えてくれるボットを作成したいです」と伝えたところ、 “Fridge Chef”というタイトルを提案されました。なお日本語で答えても基本的に英語で返答されるので、適宜ブラウザの翻訳機能などを利用してください

ロゴを決める

ロゴを決める

GPTsのタイトルを決めると、タイトルに沿ったロゴを提案してくれます。気に入らない場合はチェンジすることも可能です。右側にはGPTsのプレビュー画面が表示されます

GPT Builderと会話しながら内容を詰めていく

GPT Builderと会話しながら内容を詰めていく

献立提案ボットということで「どういった献立を提案するか」「食材の成分が明確でないときに尋ねるか」「チャットのトーンはカジュアルそれともフォーマルにするか」などGPT Builderと会話しながら内容を詰めていきます

最後に調整や追加

最後に調整や追加

ここまで行うとプレビューから実際に作成したGPTsを利用できます。最後にGPT Builderが「調整や追加したいことがあったら教えてほしい」と聞いてくるので、今回は献立提案ボットということでいたずら防止のためにも危険物が食材に含まれているときは提案を拒否する機能を追加しました

「Configure」からもカスタマイズ可能

Configureからもカスタマイズ可能

ここまでは「Create」タブから自然言語でGPT Builderと会話しながらGPTsを作成してきましたが、「Configure」タグから直接項目を入力してカスタマイズすることも可能です

完成!

完成!1

GPTsがカスタマイズが完了したら右上の①「Save」をクリックします。②公開範囲を「Only me(自分だけ)」「Anyone with a link(リンクが送られた人だけ)」「Everyone(全体公開)」の中から選びます。「Everyone」を選択した場合、③GPTsのカテゴリーを選びます。設定が完了したら④「Confirm」をクリックします

完成!2

オリジナルのGPTsが完成です。なお今回作成したGPTsはサンプルで公開していませんのでご了承ください

GPTsを作成・利用する際の注意点

GPTsを作成・利用する際の注意点についてまとめました。

プロンプトリーキング

プロンプトリーキング(Prompt Leaking)とは、公開を意図していない機密情報や専有情報を含む可能性のあるプロンプトを、意図的にリークさせる攻撃のことです。ChatGPTなどの言語モデルに対して、機密情報を引き出すような指示を行うことで、プロンプトリーキングが行われる可能性があります。GPTsを利用する際はアップロードした情報などが誰かに見られる可能性が常にあることに留意しましょう。

GPTsのプロフィール名

GPTsのプロフィール欄は、決済情報名義と紐づいているため、自分名義のクレジットカードを利用していると本名が自動的に公開されてしまいます。本名を公開されたくない場合は、「設定」→「ビルダープロフィール」へアクセスし、「名前」の欄をオフにしましょう。

まとめ

今回はGPT Builderを利用し、自分用のオリジナルなChatGPTを作成する方法を解説しました。実際に利用してみると、驚くほど簡単に自分用のChatGPTを作ることができます。2024年2月現在では有料会員しか利用できませんが、興味がある方はぜひ一度試してみることをおすすめします。

オトナライフ編集部
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