クラウドを経由しないでAIを利用できる「AIパソコン」。今後需要は拡大していくのでしょうか。今回は、「AIパソコンの国内法人市場予測」見ていきます。
AIパソコンは今後5年間で急速に需要が拡大! 2028年度には525万台規模に
ICT市場調査コンサルティングのMM総研では、日本国内の法人パソコン・Tablet調達担当者を対象に実施した調査を分析し、「AIパソコンの国内法人市場予測」をまとめました。
それによると、日本のAIパソコンの法人市場規模は、2028年度には525万台規模まで需要拡大が見られると予測されています。これは法人向け年間出荷台数の3分の2に相当する規模で、今後5年間で急速に普及が進むことが期待できます。
需要拡大の理由として、基本ソフト(OS)「Windows 10」のサポート終了に伴い、AIがパソコンのインターフェイスとなることで買い替えサイクルが変化し、OS更新サイクルとは別に、安定的に市場全体の需要が拡大することが考えられます。
AIパソコンならではの新機能に企業規模問わず需要が拡大すると予測
続いて、AIパソコンの法人市場向けの普及シナリオを見ていきましょう。2024年5月に米マイクロソフトが発表した「Copilot+PC」にはAI機能などさまざまな新機能が搭載されています。このような新機能が搭載されたものが発売されることを踏まえ、MM総研は「すぐに利用開始できる実践的なAI」であること、「AIに関して専門的なデリバリ体制とシステム改修また専門活用人材がいなくても始められる」ことが特徴となるAIパソコンは普及していくと予測しています。
大企業のハイブリッドワーカーなどはもちろん、AI配備人材が不足している中小企業が情報検索、整理、要約や翻訳といった機能に着目し、需要も高まると期待しています。
企業の情報システム部門への調査では、パソコンの投資や生成AIについて質問。すると、「積極的」「やや積極的」の回答が多い結果に。労働人口の減少を見据え、従業員一人ひとりの生産性アップが重要視されていることが理由になっているのかもしれません。このことからも、企業規模問わず需要が拡大すると予測できます。
また、生成AIを積極的に活用するのは、“AI人材を外部採用して利用を推進している企業”に多いことがわかりました。「誰もがすぐ実践できる」というターンキーソリューションが市場で求められており、AIパソコンの普及ドライバーになると予測できます。
今後5年で大幅な市場拡大が見込まれるAIパソコン。5年の間にさらに新しい機能が発表されれば、より市場が大きく拡大するのではないでしょうか。
出典元:【MM総研】
※サムネイル画像は(Image:「レノボ・ ジャパン」公式サイトより引用)