X世代・Y世代・Z世代、それぞれの世代によって働き方や仕事に対する考えが少しずつ違っているようだ。例えば、Z世代は約4割がスマホのみで業務用の資料を作成することがあるのに対し、Y世代は約3割、X世代は約2割。また、生成AIを活用する頻度が最も高く、出社するよりリモートワークで働きたい傾向が最も高いのもZ世代だった。
デジタルネイティブのZ世代 約4割がスマホのみで業務用資料を作成
「部下の考えていることがよくわからずコミュニケーションが取りにくい」という悩みは、よく聞く管理職あるあるだが、世代によって希望する働き方や仕事に対する考えが少しずつ異なることが背景にあるのかもしれない。
全国のX世代・Y世代・Z世代の3世代2,050人を対象に、アデコが調査した「働き方や仕事に対する考え方」の結果は、世代間の相互理解の参考になるかもしれない。調査期間は2024年6月27日から28日で、「X世代」を45歳~59歳(1965年から1979年の間に生まれた世代)、「Y世代(ミレニアル世代)」を29歳~44歳(1980年から1995年の間に生まれた世代)、「Z世代」を18歳~28歳(1996年から2012年の間に生まれた世代)と定義している。
勤務先からPCとスマホの両方、もしくはスマホのみ貸与されていると回答した人に「貸与されたスマホのみを使って業務のための資料を作成することはありますか」と尋ねた結果、「ある」と回答した割合はZ世代では37.7%だったのに対し、Y世代は32.0%、X世代は21.7%と世代が上がるにつれて少なくなっていった。
さらに、「スマホのみを使って業務用の資料を作成する頻度」について聞いたところ、「ほぼ毎日」との回答がZ世代の16.6%と最も多く、X世代は12.2%、Y世代は11.6%という結果だった。さすがZ世代はデジタルネイティブといったところだろうか。
Z世代はX世代・Y世代に比べてプライベートより仕事を優先、在宅勤務を希望する傾向
次いで「業務で生成AIを使用することを許可されていますか」との質問では、「許可されている」が29.1%、「許可されていない」が33.2%だった。あまり差が見られないものの、気になるのが「わからない」と回答しているのが37.7%もいることである。生成AIについてのルールが定められていないか、企業としてルールを周知できていないといった経営側の姿勢が時代に追いついていない可能性があることがわかった。
では、生成AIを許可されている人に「使用頻度」を聞くと、「ほぼ毎日」との回答はZ世代が最多で20.2%との結果だった。これに関しても、Z世代は抵抗感などなく自然に活用している人が多いのだろう。
最後に働き方について3つの質問をした結果をみてみよう。1つ目の「仕事とプライベートどちらを優先したいか」では、「どちらかといえば仕事よりもプライベートを優先したい」と回答したのがX世代とY世代は80%強だったのに対し、Z世代は75%ほどにとどまった。
2つ目は「副業・兼業をしたいか、1つの仕事に専念したいか」では、「どちらかといえば副業・兼業をしたい」がX世代で41.3%、Y世代で48.6%、Z世代で51.2%と若い世代ほど多くなっていた。
3つ目は「リモートワークで働きたいか、出社して働きたいか」は「どちらかといえばリモートワークで働きたい」とした人が、X世代で47.2%、Y世代で55.4%、Z世代で56.6%となっており、約25年以上出社が当たり前だったX世代では過半数の人が出勤する方がいいようだ。
副業・兼業の件とリモートワークに関しては、Z世代とY世代で10%ほど回答の割合に差があるため、世代間での相互理解が大事になってきそうだ。
出典元:【アデコ株式会社】
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