2020年の新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに一気に世の中に浸透していったWeb会議システム。読者の中にも利用経験者は数多くいることだろう。そんなWeb会議システムの中でも、「Google Meet」や「Zoom」といった人気システムが誕生している。しかしどんなシステムでも“完璧”なものはなかなか無いもの。ご多分に漏れずGoogle Meetにも、競合・Zoomと比べてデメリットが存在する。
今回はそんなGoogle Meetの“弱点”についてお伝えしていきたい。
コロナ禍で広く認知されるようになったWeb会議システム
現在様々な企業が独自のシステムを提供しているWeb会議システムは、Google Meet、Zoom、「Microsoft Teams」といったサービスが人気を博している。とくにGoogle Meet・Microsoft Teamsは、GoogleやMicrosoftといった大企業の提供するサービスという信頼感もあり、セキュリティ面などでの評価が高くビジネスシーンでの利用も盛んだ。日本国内では最初、ZoomがWeb会議システムのスタンダードとして広まったものの、セキュリティの穴を狙った“Zoom爆弾”と呼ばれる嫌がらせが一時多発した過去などもあって、セキュリティリスクを嫌ったビジネスユーザーが信頼性を求めてGoogle Meetなどが隆盛していったようだ。
さらにGoogle Meetは、「Gmail」や「Google カレンダー」「Google スプレッドシート」などGoogleの他サービスとの連携機能も豊富。カレンダーにWeb会議の予定を入力すると、自動で参加者に招待メールが発信されるなどの機能も有している。日頃からGoogleアカウントを利用しているサラリーマンであれば、非常に使い勝手の良いシステムであることは疑う余地も無いだろう。
これだけ見ればGoogle MeetはZoomの完全上位互換のように見えるかもしれない。しかし長所があれば短所もあるのが世の常だ。Google MeetがZoomに負けているもののひとつに“録画機能”がある。
Google Meetのヘルプには「ビデオ会議の録画機能は、G Suite Enterprise for Education、Essentials、Business Standard、Business Plus、Enterprise Essentials、Enterprise Standard、Enterprise Plus の各エディションでご利用いただけます」とある。しかし実はこれらのエディションは全て有料プランのこと。つまり、無料でもWeb会議は利用可能だが録画はできず、会議の様子などを残したい場合は有料プランに加入しなければならないのだ。仕事上であれば有料プランの料金を経費で落とせるかもしれないが、プライベートでの利用はそうもいかない。気軽に「オンライン飲み会をやろう!」と開催して、「せっかくだから録画で後から見られるようにして思い出に残そう」となったらお金を払わなければならない。思い出作りにもお金を要求されているようで、ユーザーとしては悲しい話と感じられないだろうか。
対してZoomは無料ユーザーでも録画可能。そうした気軽に利用できるユーザーフレンドリーな仕様も、「Zoom飲み会」なる単語が生まれるほどオンライン飲み会で重宝されるようになった理由のひとつかもしれない。Google Meetはビジネス上では非常に優秀だが、ビジネスに特化しすぎという印象も受ける。このイメージが、今後の展開の足かせにならないことを祈るばかりだ。