日本でGoogle検索が使えなくなる日がくるかもしれない。というのも、Googleがオーストラリアで「検索停止」を示唆したのだ。いったいなぜGoogleのような世界的企業が、検索停止という大事に言及したのだろうか。
今回は、検索停止が挙がるきっかけとなった、現在Googleと世界各国が交渉を重ねている事柄についてご紹介していきたい。
Google vs オーストラリア、議論がこじれサービス停止も
事の発端になったのは、Googleの検索結果でニュースが表示されることについて、「Googleはニュースの発信元に対して、十分な著作権・コンテンツ使用料等の対価を支払うべきではないか」という問題だ。この話が現在世界各国で持ち上がっており、実際にフランスでは度重なる対応と協議の末、「公開コンテンツの量やトラフィックに基づいて支払いが行われる」ことに合意したという。
一方でオーストラリアではまだ合意に達しておらず、現地のGoogleの代表が「オーストラリアの人々へ提供している無料のサービスならびにGoogleのビジネスモデルは、Webサイトへのリンクを自由に設けてよいという前提に基づいてきました。これこそがインターネットの基本構造です。オーストラリアでサービス停止を決めるのは、Googleが、もっとも望んでいない結末です」と、「サービス停止・検索停止」を示唆したという。まさに一触即発の状態になっているのだ。
そもそもGoogle側の言い分としては、「検索結果に表示することでニュースサイトもアクセスが増加し、その時点で利益が得られている」という解釈だ。確かにGoogleの検索サービスは、日本国内でもWeb検索を“ググる”というように「Web検索=Google」というイメージが定着するほどに浸透しており、その検索結果の上位に表示されるとなったらアクセス数が跳ね上がることは間違いない。ある意味、「無料でWeb広告を出している」ようなものだ。
実際にGoogleと同様の解釈をして無料でのサービス継続を認め、オーストラリア・フランスのように訴えを出すことのない国もあるようだ。そうした国では、まかり間違ってもオーストラリアのように「Google撤退」がチラつく危険性も無いと言えるだろう。
Googleとしては一度相手の要求を完全に飲んでしまうと、それを見た態度を保留している国から同様の要求をされる危険性もはらんでいる。だからこそ、オーストラリアにしたように強硬な姿勢を貫かなければならないのが苦しいところだ。対してオーストラリアも「脅しには応じない」と対決姿勢を崩しておらず、この問題はまだまだ解決に時間がかかることが予想される。
どのような結果になったとしても、「日本国内でGoogle検索が利用できなくなってしまう」という私たちにとって全く利益の無い惨事が起こらぬよう、この問題の今後の動向にはしっかりと注目していきたい。
参照元:検索やポータルサイトでニュース記事を表示、報道元に使用料の支払いは必要?【GIZMODO】
※サムネイル画像(Image:K. Nakao / Shutterstock.com)