iPhoneなどを手掛けるAppleが、ユーザーにとって嬉しい決断を下してくれた。なんとApple製品に、保存されたパスワードをGoogle Chromeとの間で共有できる機能が誕生したのだ。日本国内で高いシェアを誇るiPhoneユーザーが、自宅やオフィスで使用しているWindowsのPCと併用する際にも非常に効果を発揮することだろう。
今回はAppleとGoogleの歩み寄りという、歴史的快挙がどのようなシナジーを生み出していくのかを考えていきたい。
iPhoneとWindows PCの親和性がアップ!
Appleは1月26日、Windows10でiCloudを利用するためのクライアントアプリ「iCloud for Windows 12.0」を公開した。このバージョンアップによって、iCloud キーチェーンに登録してある各種パスワードを、システムを同期することでGoogle Chromeでも使用できるようになるのだという。
これまでもiPhoneやiPad、Mac PCなど、Apple製品上では同期できていたパスワードが、今後はApple製品という枠にとらわれず使っていけることになる。日本でも「スマホはiPhone、PCはWindowsを使っている」という人も少なくない。もしかするとこれまでPCがWindowsだったためになんとなく挙動が近いAndroidスマホを使っていたという人が、「利便性が上がったのなら、せっかくだから一度試しにiPhoneも使ってみようかな…?」とiPhoneに乗り換える…。なんて人が出てくる可能性も否定できない。
また、今回のAppleとWindows・Googleの新たな連携は、「Mac PCとWindows PC」「iPhoneとAndroidスマホ」の歴史的な融和と言えるかもしれない。これまではデザイン性あふれるApple製品の操作性の独自性から、わかりやすい対立構造として話題にされやすかったこれらの製品群。しかし今回の歩み寄りによって、「自宅でもデスクトップはWindows、ノートPCはMac」といった使い分けや、「iPhoneとAndroidスマホ二台持ち」もしくは機種変の際にも気軽に、iPhoneからAndroidスマホへ、AndroidスマホからiPhoneへと乗り換えられることだろう。
ビジネスシーンでも、仕事の都合で社内をMac PC・Windows PCのどちらかに統一している職場も多いはずだ。そうした中でたまに見られるのが、「Windowsの操作方法がわかりません」「Mac触ったことありません」という新人だ。今回の融和で両者の使い分けの溝を少しでも埋めることができれば、“新人に操作を教えるところからスタート”という不要な苦行を回避できることにもつながる…だろうか?
AppleとWindows・Googleがお互いに独自性を保ちつつもお互いが協力してシナジーを発揮することで、社会のデジタル化もさらに進むのかもしれない。
参照元:iPhone/iPadなどで保存したパスワードがWindows 10の「Google Chrome」で利用可能に【窓の杜】