アメリカ・マイクロソフトが現地時間2月16日に、iPad版の「Microsoft Office」のを公開。提供を開始した。かつてはそれぞれが独自のスタイルを貫いていて併用の難しかったWindowsとMacだが、これでまた互換性が高まったようだ。Windowsの市場シェアを考えると、とくにMacをはじめとしたアップル製品のユーザーにとって大きな一歩となりそうだ。
今回は、iPad版Officeの特徴や、これによって今後進むかもしれない〇〇離れの可能性について考えていきたい。
ついにiPadでも各種Officeソフトが利用可能に
マイクロソフトがリリースしたiPad版Officeは、「Word」「Excel」「PowerPoint」等の機能が使えるアプリとなっている。2020年2月には先行してiPhone(iOS)版のOfficeも登場しており、今回iPadにまで対応デバイスが拡大した格好だ。2月24日16時の時点でiPhone・iPad版のApp Storeでアプリのダウンロードが可能となっている。
このアプリではWord・Excel・PowerPointでよく使われる機能やPDFの作成等が無料で利用できるようになるという。ただし、iPadは画面サイズが10.1インチ以下の機種のみが無料対象で、それ以上のサイズのiPadやアプリ内で全機能を利用する場合は別途サブスクリプションに加入し月額料金を払う必要がある。
これまでPC業界はWindowsとMacの二大勢力に分かれ、お互いに独自路線を進み続けていたこともあってビジネスシーン等で両者が混在していると互換性の低さがネックとなる場面も少なくなかった。しかしWindowsのマイクロソフトが、WordやExcelといったビジネスシーンで利用されることの多いOfficeの機能をアプリ化。iPhone・iPadでも利用できるようになったのだった。
この変化によって、「利用デバイスはすべてアップル製品!」というアップルの熱狂的なファンの中からも、「iPhone(iPad)を使っているけど、PCはWindows」と、Windowsに流れるユーザーが出てくることになるかもしれない。
iPadでもOfficeが使えるようになったことに対して、ネット上からも「Microsoftさん、アップデートありがとうございます!」「やっとiPad対応して嬉しい」など、待ち望んでいたユーザーの歓喜の声が相次いでいる。中には「いよいよMacBookがスタバ専用オブジェとなってくる」という意見も。iPadでWordやExcelを使って仕事ができるのであればPCではなくタブレットで十分という将来的な“PC離れ”が進むかもしれないとも考えられているようだ。
仕様上では10.1インチより大きなiPadは無料での利用の範囲外だ。ここ数年で誕生したiPadはこれより大きいものが主流となっていることもあり、マイクロソフトとしては「PCと同じように使いたいならちゃんとお金を払ってね」という意思表示なのかもしれない。しかし仕事でアップル製品を使っているユーザーであれば、お金を払うだけの価値があると判断する人も少なくないはずだ。それぞれの利用用途によって、柔軟に使い方を考えてみていただきたい。
参照元:マイクロソフト、「iPad」向けの「Office」アプリをリリース【CNET Japan】
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