現代ではGoogleやYahoo!が検索エンジンの主流であるが、検索するだけで植林活動に貢献できる「Ecosia(エコジア)」が注目されている。広告利益の80%が植林・森林再生活動への寄付に充てられる予定であり、限りなく非営利団体に近い営利団体だ。近年ではプライバシー重視の検索エンジン「DuckDuckGo(ダックダックゴー)」が話題となっていたり、日本でも検索を通した復興支援活動があったりと“選べる”時代になってきている。
検索するだけで森を守る活動に貢献できるEcosia
検索にも、付加価値が求められるようになってきたようだ。手軽で持続可能なエコ活動として検索エンジン・Ecosiaが注目されているのをご存知だろうか。2009年にドイツの企業が立ち上げ、運営されている。
環境問題は私たちの生活から遠くないところにありながら、なかなか取り組みにくいテーマだ。エコ活動というと「時間も労力もかかりそうだし、何からはじめたらいいか分からない」という人も多いだろう。だがEcosiaは仕事場や家から何かを検索するだけで広告利益の80%が植林・森林再生活動を行う非営利団体への寄付にあてられるしくみだ。Google ChromeやSafariなどのブラウザで、デフォルトの検索エンジンとして使うことができ、検索するユーザーには余計な労力や金銭的負担が一切かからないのだ。
社会的な利益を追求するソーシャル・ビジネスをモデルとしているので、企業でありながらその実態は限りなく非営利に近いEcosia。GoogleやYahoo!といった検索エンジンと明確に異なるのは、検索をあくまでも手段として使い、その目的は環境保護にある部分だろう。
環境への意識の高まりは、比較的新しい世代の価値観だといえる。環境保全を含むSDGs(持続可能な開発目標)という国際目標が国連サミットで採択されたのは2015年で、日本に浸透してきたのもここ数年。環境問題に限らず、こうした時代とともに変化する考え方の変化が検索エンジンひとつ取っても表れている。例えば、プライバシーの保護を重視した「DuckDuckGo(ダックダックゴー)」の検索回数が2021年1月に1日1億回を突破したというニュースは記憶に新しい。また、Yahoo! JAPANが2014年からはじめた東日本大震災の復興支援「3.11 検索は応援になる」プロジェクトも検索を通じたサステナブルな取り組みだ。
何気なく使ってきた検索エンジンも、いつまでも同じままではいられない。ユーザーのネットリテラシーや価値観の変化に合わせて新しい考え方を取り入れることは、企業としての生き残りもかかっている。
こうした多様化は、私たちの自身にも“選べる”メリットをもたらしてくれる。ちょっとした自分の行動がどんな結果に繋がるか、想像するきっかけにしてみるのもいいかもしれない。
参照元:そろそろ「ググる」をやめる? 新検索エンジンECOSIAで植林に貢献【Forbes JAPAN】