3月上旬にリアルタイム文字起こしアプリをリリースしたマイクロソフト社が、今度はオンライン会議ツール「Microsoft Teams」のリアルタイム文字起こしの機能を、アメリカでリリースした。これにより、オンライン会議中に簡単に議事録が作成することが可能になる。「Google Meet」や「Zoom」といった他のWeb会議システムも同様の機能をリリースしているので、一体どのような機能で、どう利用できるのか知っておくと今後のビジネスシーンで役立つかもしれない。
ウェブ会議市場で巻き起こっている “ライブ・トランスクリプト機能” 競争
このコロナ禍で世界中に一気に普及したテレワークとそれに伴うWeb会議。この1年間でZoomをはじめとしたWeb会議ツールが急激に普及し、使いやすさを追求しさまざまな機能がリリースされるなど、Web会議市場では熾烈なシェア争いが繰り広げられてきた。そんななか、現在注目されているのが、相次いでリリースされている“ライブ・トランスクリプト機能”、いわゆるリアルタイム文字起こし機能だ。
Zoomは2021年2月にライブキャプション(自動字幕起こし)機能を無料アカウントでも限定的な形で利用可能となり、この秋からは全アカウントが対象となる予定だ。また、グーグルの提供するGoogle Meetにも同様のライブキャプション機能があるが、この3月、Google Chromeブラウザでもライブキャプション機能の提供が開始された。
そして今回、マイクロソフトが提供するWeb会議ツール・Teamsに追加したライブ・トランスクリプト機能は、ほぼリアルタイムで発言内容が高い精度でテキスト化され、会議中だけでなく会議後にも確認できる、というもの。会議後にTeamアプリから参照およびダウンロードが可能という点で、会議の議事録としては貴重な機能となるだろう。
ただ、この機能、残念ながら3月29日時点では日本語は未対応。なかには英語での会議でリアルタイムで文字起こしされるだけでも助かる、という人もいるかもしれないが、日本語に対応されるのを期待して待ちたい。
社外秘の会議内容が流出などのリスクは本当に大丈夫?
Web会議が頻繁に行われるようになり、ますますセキュリティに対しての関心が高まっている。Teamsでオンライン会議を行い、ライブ・トランスクリプト機能でその議事録を作成する場合、社外秘の会議内容が外部に流出してしまう、などといったリスクはないのだろうか?
マイクロソフトは会議の内容をマイクロソフトの従業員が閲覧することはできない、と保証。さらに会議中の文字起こし精度を高めるための言語認識モデルは会議終了と同時に削除されるため、AIの精度を向上させるためにその会議データが使用されることもないとも説明している。
これまでの流れを見る限り、今後もWeb会議ツールに文字起こし機能は必須の機能となってきそうだ。それぞれがより便利に進化し続ける一方で、利用者は文字起こし機能の精度の高さと、何よりもセキュリティ面での安全性をますます重要視してツールを選ぶことが必要になるだろう。
参照元:「Microsoft Teams」にライブ文字起こし機能【CNET Japan】
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