「IEがサポートを終了する」という一報が話題を呼んでいる。20~30代の人々小学校・中学校のPCの授業で触っていたであろうなじみ深いソフトの終了に、ネット上からは過去を懐かしむ声や困り果てたうめき声、喜びの(?)声など、さまざまな反応が飛び出している。今回は、かつて一世を風靡したWebブラウザの終了についてや、なぜ終了するに至ったかについてお伝えしていきたい。
マイクロソフト、IEのサポート終了を発表
アメリカのマイクロソフトは現地時間5月19日、「Webブラウザ『Internet Explorer』のサポートを2022年6月15日に終了する」ことを発表した。現在IEを利用している企業に対しては、IEに互換性のある「Microsoft Edge」の「IE モード」を利用することを推奨している。
マイクロソフトがIEからEdgeへの移行を促すのは、IEのセキュリティが脆弱だからだ。2019年にはマイクロソフト自ら、IEの標準利用を控えるよう求めたことでも話題となった。
IEは1995年の登場以降、WindowsのPCで広く使われるようになってきた。読者の方々の中にも水色の“e”のマークを覚えている人は多いのではないだろうか。30代の筆者も小学校のPCの授業でIEを立ち上げ、インターネットの操作について教わっていたように記憶している。
ネット上からも「中学・高校の授業では世話になったな…」「このアイコンだけが検索エンジンだと思ってた時代がありました」とかつてを思い出す声や、「新たなことを憶えることが苦痛の世代」と、新しいWebブラウザへの移行に難色を示す意見も見られた。
また、長期間Webブラウザの主流になっていたこともあり、今なおIE上でしか利用できないシステム等を導入している企業・団体も少なくない。「今の仕事場でもIE使ってるのに来年どうするの!?」「勤怠システム、一部機能がIEじゃないと動かないんだよな~」という現場の心の声や、「銀行系、政府系などIE縛りのところは…おつかれさまです」と1年後のサポート終了前に待ち構えているであろう労力を気に掛ける人も見られた。
一方で、そうした企業・団体のシステムをサポートしていた側からの「Web制作会社で働いていた時、苦しめられた」「IEだけHTMLの表示が異なることが多く、大変悩まされたブラウザでした」と、過去の苦労を偲ぶツイートも少なくなかった。
喜ぶ人、困る人が混在している今回のマイクロソフトの発表。しかし近年はサイバー犯罪が多発していることもあり、IEによって生じるリスクが大きいのであれば今回の判断も仕方のないことなのかもしれない。
周囲にIEに依存する環境をもつ人がいたら、早めに移行に動き出すよう促してあげてほしい。
参照元:Microsoft、IE(Internet Explorer)サポート終了は2022年6月15日【ITmedia NEWS】
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