社会貢献にお金を出す企業ランキング、3位NTTドコモ77.9億円、2位武田薬品85.0億円、1位は?

東洋経済は、「CSR企業総覧(ESG編)」2021年版に掲載している社会貢献活動支出額のデータをもとに、支出額と経常利益に対する支出比率をランキング化し、公表した。いま、社会貢献を積極的に行っている企業は、どこでどのような活動に取り組んでいるのだろうか。明らかになったランキングから考察していきたい。

社会貢献支出額 堂々の第1位はホンダ

企業が投資家に評価されるためには、ESG課題への取り組みが不可欠だ

 今回、東洋経済オンラインが発表した「社会貢献活動支出額ランキング2021」で栄光の第1位に輝いたのはホンダだった。金額は2017年度74.2億円、2018年度88.5億円と年々増加しており、2019年度は95.7億円にも昇った。
 近年、ESG投資額は飛躍的に伸びており、世界全体の大きな流れとなっている。ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の3つの頭文字だ。目先で儲かればよいということではなく、環境破壊や途上国における劣悪な労働条件などにも着目し、これらをリスク要因として捉えることで、対象の企業が投資対象として的確かどうかを判断する考え方だ。そして2015年にSDGs(持続可能な開発目標)が採択されて以降、企業がどのように社会貢献活動に取り組んでいるかが、ますます注目を集めるようになっている。
 ホンダは技術系の企業だけあり、1リットルのガソリンでどれだけの距離を走行できるかを競う「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」や、南米での若者向けの職業訓練など、国内外問わず技術的な活動に積極的だ。これらは、本業と結びつけて社会貢献活動に取り組んでいるいい例だと言えよう。

第4位は三井不動産、第5位は日本生命保険だった

 第2位は武田薬品工業で85.0億円だった。2017年度は55.9億円、2018年度は36.2億円と大きく増加させている。菌株の保存事業や研究助成事業を行う「発酵研究所」への支援から湘南地域をはじめとする地域の清掃ボランティアまで、幅広い活動を行ない、直近では、新型コロナでの金銭寄付や自社製品提供なども行っている。
 第3位はNTTドコモで77.9億円だった。2017年度の64.8億円、2018年度の88.2億円と微減するも、高い水準を維持している。消費者に近い企業というだけあり、身近なトラブル対処方法を啓発する「スマホ・ケータイ安全教室」の無償開催を全国で行なっている。ほか、全国49カ所、総面積210haの「ドコモの森」づくりや、アジア諸国の留学生を支援する「ドコモ奨学金事業」など、第2位の武田薬品同様に幅広い取り組みを行っている。しかしNTTドコモは2020年12月に上場廃止となったため、社会貢献活動など投資家の目を意識しての活動がどこまで行われるかは未知数と言える。今後の動向にも注目したい。

 総じて、今回ランクインしたような知名度のある企業は、本業と同様に当然の義務として社会貢献活動を行っている。幅広い活動を行いつつも、本業の知識やネットワークなどを活かした活動を主としており、社会を明るくするきっかけを作っていることが今回の調査で明らかとなった。
 今後は我々消費者も、企業がどれだけ社会に貢献しているかを意識しながら商品を選んでみるのもアリなのかもしれない。

参考元:最新「社会貢献にお金を出す」100社ランキング【東洋経済オンライン

オトナライフ編集部
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