ここ1年で一気に世の中に浸透していったテレワーク。読者の方々の中にも、現在もテレワークを実施している人、またはこれまでに実施した経験のある人も多くいることだろう。今回パーソル総合研究所が、テレワークによる「幸福度」を調査しその結果を発表している。そこから見えてきたのは、意外とも言えるテレワークの実態だった…。
テレワークで幸せを感じる人が増えたことが判明!
パーソル総合研究所は、2月に実施した「はたらく人の幸せに関する調査【続報版】」の調査結果を発表。「幸せ・不幸せ実感の変化」や「テレワーカーと出社者のはたらく幸せ・不幸せ」「テレワークが与えるはたらく幸せへの影響」といった要素の傾向を伝えている。
2020年2月に実施された前回調査と比較して、「はたらく幸せ」を実感している割合は1ポイント減となったが「はたらく不幸せ」の実感は2.6ポイント減となった。相対的に、ストレスが低減されている様子が見て取れる。
テレワークを実施する人と出社する人に分けて見てみると、「はたらく幸せ実感」の要素でテレワーク4.3ポイント、出社4.1ポイントとテレワーク実施者のほうが仕事で幸せを実感していることがわかった。さらに「はたらく不幸せ実感」でも、テレワークが3.4ポイントに対して出社3.5ポイントとこちらもテレワークに軍配が上がっている。まさに“働き方改革”でサラリーマンの働きやすさを向上させるためのテレワークと言っていいのだろう。
全体としては、はたらく幸せを実感するサラリーマンが多いテレワーク。しかし年代別に分けて見てみると、20代に限っては「出社する人よりもテレワーク実施者のほうが、幸せを感じづらく不幸せは感じやすい」という逆の傾向が出ているのだ。
とくに「自己抑圧因子(自分なんて)」「オーバーワーク因子(ヘトヘト)」「協働不全因子(職場バラバラ)」「疎外感因子(ひとりぼっち)」といった不幸せを感じる要因を感じる割合は、明確に出勤する人を上回っていた。自己抑圧因子に関しては、50%を超える回答者が「自分なんて…」と感じていることが明らかとなり、周囲に比較対象となる同僚や先輩がいないからこそ「自分がどれだけ仕事をこなせているか」がわからず不安に陥ってしまっているのかもしれない。
テレワークが実施されるようになってからこれまで、「若年層はテレワークに賛成する割合が高く、年代が上がるほど否定的な割合が増えてくる」というイメージが強かった。しかし若年層は「テレワークはしたいけど、一人だけで仕事をするのは得意ではない」ということなのかもしれない。
今後は、SNSなどでも“共感”を求める傾向の強い若者世代が、離れた相手とも共感を得やすい環境の構築が求められていくことになりそうだ。
出典元:はたらく人の幸せに関する調査結果を発表 テレワークは幸福度を高め、はたらく幸せをもたらす結果に【パーソル総合研究所】