シニア社員3,000人に聞いた、職場で「正直いや」なシチュエーションの意外な1位とは?

「最近の若いモンは」というセリフはもはや死語だが、会社にいるとジェネレーションギャップを感じることは若い世代側もシニア世代側も、お互いにまだまだ少なくないだろう。

企業や組織へチームワークや働き方改革のメソッドを提供するサイボウズ チームワーク総研は、「シニア社員の職場との関わり」についての意識調査を実施。そのなかでも、シニア世代(今回の調査では55~64歳)が「正直いや」なシチュエーションは何かについての結果を見ていこう。

ペーパーレス化やIT化、年下上司は意外と嫌じゃなさそう

シニア世代でも、現役会社勤めならパソコンもスマホも使いこなせて当たり前

 シニア世代が若手だったころは、飲み会での“飲みニュケーション”も盛んで、働き改革とは無縁のハードかつ泥臭い時代だったと言っていいだろう。女性の社会進出もまだまだ創世記、お茶くみ・寿退社も珍しくない時代だったに違いない。そんなシニア世代から見ると、今の若手世代には戸惑うことも多いはずだ。若手側も多少戸惑うことはあっても、シニア側の方がずっと、違和感や驚くことが多いだろう。

 今回の調査では、会社で起こり得る状況について「正直いやだ」か「問題ない」の2択で実施。調査してみると、意外なシニア世代のホンネが見えてきた。なかでも特に意外だったのが、第8位の「自分より下位/後輩からの助言」が、問題ないと答えた人が81.9%。若手からすると、そんなことを言うと生意気だと思われそうだが、そこは酸いも甘いも噛み分けてきたシニア世代ならではの、「有益な意見なら問題ない」という懐の深さか。また、紙とハンコ全盛時代を過ごしてきたシニア世代は、第7位の「ペーパーレス化」についても80.4%が問題ないと回答。第6位の「自分の上司が年下」も、問題ないが79.2%と約8割に上った。

 第5位の「ITツールの新規導入」も75.4%が「問題ない」と答えた。現役で会社勤めを行っていれば、スマートフォンやパソコンを使い慣れており、新しいITツールも、さして問題も抵抗もなく使えるのだろう。

“適・切・な”コミュニケーションを求める、切実なシニア世代の声

 ツールの刷新には抵抗がないシニア世代だが、仕事の進め方や予想外の事態が起こることには抵抗を感じる人の割合はグンと増える。4位の「従来のビジネスプロセスの変更」では29.4%と約3割が、1位の「自分の経験則が通じない」では51.9%と過半数が「正直いやだ」と答えている。

 また、第6位で問題ないが約8割だった「自分の上司が年下」に対して、第2位が「自分より下位/後輩が敬語で接しない」のは45.6%と半数近くが正直いやだと答えている。年功序列に忠実なところが見て取れる。さすがに年上や上司へのタメ口は社会人のマナー的にどうか?というところがあるが、若手からすると、親しみを持っているアピールのために、あえてくだけた言葉遣いをすることもあるかもしれない。が、この結果を見る限り、まだ控えておいた方が無難のようだ。

 第1位の「自分の経験則が通じない」について、シニア世代は、時代の変化に一定の理解を示す一方で、「聞く耳を持ってほしい」「相互理解が必要」というコミュニケーションを求める声が多く上がった。

 2021年4月、 改正高年齢者雇用安定法施行により、企業には70歳まで就労機会確保への努力義務が生じた。今後もっと上のシニア世代とも関わる機会が増えるはずだ。若手が出世ルートに乗るカギを、シニア世代への理解が大きく握る日も近い!?

出典元:シニア社員、年下上司もペーパーレスも「問題ない」── 正直いやなのは「経験則が通じない」こと【サイボウズ

オトナライフ編集部
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