「Google Meet」に新たなユーザー支援機能が追加されることが判明した。なんとWeb会議の中でエコー(ハウリング)が発生した際に、その原因がどのデバイスであるかをシステムが判別。「赤い点」のアラートで通知されるようになり、エコー解消のアドバイスまで案内してくれるというのだ。
日々Web会議を利用しているサラリーマンであれば、会議をスムーズに進めるうえで非常にありがたい“神機能”かもしれない。しかし考えようによっては、“犯人”をあぶりだすことになる“悪魔の機能”とも言えるかもしれない…。
「エコー起こしてますよ」アラートで会議の進行もスムーズに
グーグルは8月23日、「Google Meetでエコーが発生したときの識別と修正が簡単になりました」と報告。エコーが発生すると、システムがエコーの原因となっているユーザー・デバイスを推定し、そのユーザーの画面上に赤い点の「警告」の通知を表示させるのだという。また、通知をクリックするとGoogle Meetのヘルプセンターへと飛び、エコーを解消するためのアドバイスも見ることができるという。この機能は、23日から段階的に展開されている。
これまでエコーが発生するたび、誰が原因かもわからず参加メンバーがそれぞれ各自の設定などをゴソゴソと見直すこともあったかもしれない。会議が完全にストップすることはなかったとしても、スムーズな進行がしづらくなるだろう。それが解消できる部分については“神機能”と言ってもよさそうだ。
ではいったい何が“悪魔の機能”なのか。それは「これまで比較的あいまいだった、エコーの“犯人”がわかりやすくなってしまう」可能性だ。
グーグルが公開しているサンプル画面を見る限り、赤い点の通知は原因となったユーザー本人の画面にしか表示されなさそうだ。しかし通知が出ることで「原因は私じゃなさそう」というメンバーと「あ、自分が原因っぽい。すぐに直さなきゃ!」という反応に二分されることも考えられる。言ってしまえば、これまでは全員がゴソゴソしていたから目立たなかったものが、今後は「エコーが起きたあとにゴソゴソしている人こそが“犯人”」である確率が高いのだ。
上司とともにWeb会議を使っての大きな商談に臨んだ若手が、エコーを起こして商談を止めてしまったら…。そしてその話がまとまらずに終わったら…。想像するだけで背筋が寒くなってしまう。
下手にエコーを起こせない風潮になったとすれば、今後は今まで以上に「発言をしない人はミュート」にする文化が流行するかもしれない。ミュートこそ、これ以上ない「エコーが起きても私じゃありませんよ」のサインなのだから。
参照元:「Google Meet」、エコーの発生元に警告を表示へ【CNET Japan】
※サムネイル画像(Image:Ink Drop / Shutterstock.com)