企業の価値を測る物差しには、複数の指標が存在する。例えば、株価などによって算出される「時価総額」は、ニュースの中でも時折聞こえてくるメジャーなものと言えるだろう。しかしいくら株価が上昇し時価総額が上がろうと、従業員の給与を支払ったり、企業が必要なものを購入するときには、直接的な支払いの足しにはならないのだ。(もちろん金融機関の融資が受けやすくなるなどのメリットはあるだろうが)
今回は、そんな企業の指標のひとつ「NetCash」を比較したランキングが発表されたのでご紹介していきたい。
企業の価値を決める数字
与信管理サービスなどを手掛けるリスクモンスターは8月27日、第10回「金持ち企業ランキング」の結果を発表した。このランキングは決算書の記載に基づき算出したNetCashによってランク付けされている。NetCashとは、企業が持つ現預金から有利子負債を差し引いた手元資金を表す指標。多ければ多いほど“金持ち”なのだ。
そんなNetCashランキング第5位は、自動車メーカーの「SUBARU」が5,734億円。ひとつ上の4位には「SMC」が6,185億円で登場。SMCは空気圧制御機器のトップメーカーだ。
金持ち企業ランキング、1位は任天堂に決定!
そして第3位には6,235億円で「ファーストリテイリング」がランクイン。ファーストリテイリングはあのユニクロやGUを傘下に収める企業だ。世界的にもトップクラスの企業が3位となったのは意外といえば意外かもしれない。そしてユニクロを上回る2位には「信越化学工業」が入っている。そのNetCashは8,391億円と、3位以下を2,000億円以上引き離してその存在感を示した。
そして栄えある1位に輝いたのは、「任天堂」となったNetCashは実に1兆1,852億円で、一気に大台を突破してきた。任天堂の驚異的なポイントはマイナス要因となる有利子負債が“0億円”ということ。現預金の金額だけで見れば任天堂が1兆1,852億円に対し3位のファストリも1兆0,935億円と負けず劣らずの数字を残している。9位となった「セブン&アイ・ホールディングス」などは2兆1,892億円とトップの任天堂の倍近い話だ。しかしセブンは有利子負債も1兆円単位の数字を記録しており、NetCashで見ればあまり突出した数字が残せていないのだ。
任天度といえば10月には「Nintendo Switch(有機ELモデル)」を発売し、まだまだ衰える気配を見せないSwitch市場をさらに盛り上げることは確実と言っていいだろう。現在の任天堂の主力商品のひとつであるSwitch市場が再び勢いを獲得したとすれば、任天堂の懐もウハウハだ。NetCashもさらに成長する可能性を秘めている。
今後の任天堂の躍進ぶりにも要注目だ。
出典元:調査結果発表:リスモン調べ~第10回「金持ち企業ランキング」調査~【リスクモンスター株式会社】