政府の「経済財政運営と改革の基本方針2021」に盛り込まれた、「選択的週休3日制」。働き手の希望に応じて週休3日を選べるといった内容であり、すでに大企業などでは実施しているところもあるが、長らく週休2日制で働いてきた世間からは様々な賛否の声が上がっている。
「選択的週休3日制」に不安に思うことは?
株式会社クロス・マーケティングが全国20歳~69歳の仕事・バイト・パートをしている男女を対象に行った「選択的週休3日制に関する調査(2021年)」の結果を見ていこう。
休日が増えることに対して思うことは、「自分が自由に使える時間が増えそう」といった意見が56.9%と最も多く、大半の人がポジティブな印象を抱いていることが分かる。単純に休みが1日増えるのだから、趣味や習い事など、これまで諦めていたことにだって挑戦できるだろう。そのほかにも、「リフレッシュする時間が十分にとれそう」「家族と過ごす時間が増えて嬉しい」といったポジティブな意見が続く。いくら真面目な日本人とはいえ、やはり休むことは大好きなようだ。
一方で、ネガティブな意見としては、25.1%の人が「収入が減りそうで不安」と回答。選択的週休3日制となると、週休2日制を選択する人との公平性を保つために、週休3日制を選択した人の給与を減額することがある。そういったケースを考えると、休みが増えるのもいいことばかりではないようだ。また、14.2%の人が回答した「支出が増えそうで不安」といった意見も。休みが増える分、必然的に遊びや趣味にお金を使ってしまうことが不安視されている。
休日が増えると生産性があがると思うかといった質問に対しては、世代によって大きな差が生じた。20代は、52.1%の人が「生産性があがる」と回答。ゆとりと言ってしまえばそれまでだが、がむしゃらに働くことが美徳とされてきた世代ではないことは確か。むしろそんな考え方を冷ややかな目で見つめる彼らは、ほどよく休んだ方が効率的なことを証明するかのように、しっかりとオンオフをつけて仕事に望んでいる印象だ。
逆に60代で「生産性があがる」と回答したのはわずか25.2%と、20代の半分にも満たない。週休2日制、むしろ週休1日、いや0日で働くこともあったからこそ、休日やプライベートに固執していないのかもしれない。回答者の年齢が上がるにつれて、“休日の多さと生産性は関係ない”と答える人が増えていることから、休みに対する考え方にジェネレーションギャップが生じていると言えるだろう。
政府が掲げる選択的週休3日制は普及するのだろうか。今後の動向に注目である。
出典元:選択的週休3日制に関する調査(2021年)【クロス・マーケティング】
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