ネットサーフィンをしていると、自分の趣味や興味のあることについての広告が表示される「ターゲティング広告」はもはや見慣れたものとなった。ターゲティング広告をより的切に出すために、企業もあの手この手を考えている。
実は海外で、スターバックスがターゲティング広告のために“ダークパターン”を使っているのでは?とザワついている。えっ、スタバクラスの企業がそんなことを?と思ってしまうが……。
ダークパターンの前にCookieの便利さと危険性をおさらいしよう!
ちょっと旅行について調べたら、ネット上の広告がすべてホテルや観光、旅行にまつわるものになってしまったという経験は、誰もが経験しているはずだ。そのターゲティング広告が役立つときもあるが、あまりにしつこくて「もういいよ~!」と言いたくなることもある。
ヨーロッパやアメリカでは、ウェブサイトを訪れたユーザーの情報をターゲティング広告に利用するには、ユーザーがCookie利用について許可する必要がある、と法律で定められている。Cookieとは、簡単にいうとブラウザに保存されるユーザーの情報のことだ。ショッピングサイトを訪れた際に過去にかごに入れたアイテムが残っていたら、「そうそうこれも買いたかったんだった」と便利なこともある。しかしCookieによる情報漏洩が指摘されており、不正ログインやアクセス元が不正に特定されるなどプライバシーの侵害につながるリスクもある。
便利な一方、情報漏洩というリスクも抱えるCookie。だからこそ、ユーザー側はCookieの利用を許可する・しないを選べるようになっており、ヨーロッパやアメリカでは法律で規制もされているというわけだ。
今回話題となっているイギリスのスターバックスの場合は、「Cookieを利用しない」と選択した際に、無駄に長い処理時間を発生させるようにしており、「こんなに長くかかるならもうCookieの利用を許可しちゃおうかな」と変化するユーザー心理を狙うダークパターンではないかと指摘されている。世界的にこうしたダークパターンを規制する動きもあるようだ。
実はダークパターンは日本でもすでにはびこっている。たとえば、入会は簡単なのに退会ボタンがなかなか見つからなかったり、わかりにくいところに「定期購入する」にチェックが入っていて単発購入のつもりが定期購入にされていたり、ポイントアプリで最初からポイントを使う設定になっていて、使うつもりのないポイントが使わたり……と、こんなネットの罠に知らぬ間にハマってしまった経験はないだろうか。これらの事例も、ダークパターンに当てはまるという説もある。決して他人事ではないのだ。
ネットを利用する際には、自分もいつこうしたダークパターンに遭遇するかわからない、と肝に銘じて利用するようにしていきたい。
参照元:スターバックスがユーザーを意図的にだます「ダークパターン」を使用しているという指摘【GIGAZINE】
※サムネイル画像(Image:Prachana Thong-on / Shutterstock.com)