転職が決まったら、喜びと同時に悩ましいのが、現職場の退職だ。上司に言い出すタイミングやもっともらしい理由を考えるなど、円満退職をするために頭を悩ませる。ビジネス上の問題解決を考えるメディアBiz Hitsが転職経験者500人に「円満退職のコツ」を調査。そのコツTOP10が発表された。「へぇ~」というものから「そんなこと!?」という意外なものまでさまざまなコツがランクインした。
まずは第10位~6位まで。「立つ鳥跡を濁さず」な、わりと殊勝なコツが並ぶ結果に
第10位は「退職の挨拶をする」。これは社会人として当たり前なような気もするが……。第9位は「普段の勤務態度」。これは退職が決まる前からの態度も含まれ、「日頃の仕事っぷりがいい加減だとうまくいかないのかな、と想像しています」(男性、29歳で転職)というような意見が多く寄せられた。第8位は「会社の都合を考慮する」。「自分の都合ばかり訴えるのではなく、都度細やかな相談を職場と重ねていくこと」(女性、33歳で転職)など、繁忙期や携わっている仕事の状況に配慮した時期の相談が大切なようだ。
第7位は「正直に話す」。ちょっと意外なようだが、いわゆる“建前”の理由を作ろうとせず、なぜ辞めたいのかを正直に話す方がいいという意見が寄せられた。ただ、そうできた人たちは、大前提として「普段から築けていた関係があったからこそ」と語っており、これができるかどうかは、日ごろの信頼関係が円満退職を左右するようだ。
第6位は「最後まで仕事の手を抜かない」。退職する=人が減り、残る人には多少なりとも迷惑がかかる。それを考えたうえで「最後までキチンとした態度・対応で仕事をこなす。辞めるからといって適当なことはしない」(女性、35歳で転職)、こういったことはぜひ心がけておきたい。
第5位は「会社の不満や愚痴を言わない」。正直、何かしらの不満があるから退職するわけだが、「不満を伝えるべきときもあるが、円満退職をめざすなら、割り切ってお礼だけ言って去っていくのがベスト」という大人の対応を勧める経験者が目立った。
第4位は「しっかり引継ぎする」。転職先から「どれくらいで退職できますか」「なるべく早く来てくれると助かる」と言われて、できれば1カ月ほどで辞めたい!と思うかもしれないが、それでは正直まともな引継ぎはできない。スムーズな退職のために、後任に直接教えるだけではなく「マニュアルをつくる」「仕事の割り振りを改めた」などの工夫も効果的なようだ。
第3位は「納得できる退職理由を用意」。用意……急に知能犯の匂いがしてきた。「人間関係だと退職はなかなか言い出しづらいが、仕事内容との相性を理由にすればなんとかなる」「毎回、家庭の事情だと伝えている」などの具体例が。会社が引き止めにくい理由を考えるのが円満退職成功の秘訣?
第2位は「日ごろの人間関係」。「日頃からニコニコと愛想よく過ごし、年上のスタッフに可愛がっていただいていたのがよかったと思います」「どんなに嫌いな上司でも、最後まで愛想よく接すれば、だいたいは円満に退職できると思います」などの腹黒いともとれる回答が寄せられて、上司の立場のオトナライフの読者が卒倒しないか心配である。
栄えある(?)第1位は「早めに伝える」。転職が決まったらなるべく早く退職したい、という気持ちはわかるが、その期間が短ければ短いほど、円満退職とはいかなくなる可能性が高い。引継ぎや人員の補充などには、それ相応の時間がかかるものだ。「退職を言い出すと、残りの日々が居づらくなりそうだからギリギリで」なんてことはなるべく避けた方が賢明だ。
こうしてみると、本音はさておき「会社の都合を思いやっていますよ」というアピールが大事なようだ。
出典元:【円満退職のコツランキング】男女500人アンケート調査【Biz Hits】