会社のパソコン大丈夫? 企業のWindowsの半数以上がWindows 11非対応だと判明!

マイクロソフトから2021年10月5日にリリースされた「Windows 11」。Windows 11はUIの刷新やマルチウィンドウの採用をはじめ多くの機能が追加されており、読者の中にもすでに利用している人もいるのではないだろうか。一方で、インストールする上で必要なスペックの条件が厳しく、インストールできなかった人もいるという。
 今回は、IT資産管理ソフトウェアを展開するLansweeperが公表した「企業で利用されているWindows端末におけるWindows 11への対応状況に関する調査」について紹介しよう。

パソコンの性能のなかでも、CPU、RAM、TPMが重要項目

(Image:A9 STUDIO / Shutterstock.com)

Windows 95以来左下と決まっていたスタートボタンがセンター寄せになったWindows 11

 まずは、Windows 11の特徴からみていこう。最大の変更といえば、Windows 95以来左下と決まっていたスタートボタンがセンター寄せになったことだろう。左下にも固定できるため、今までの使用感を気にいっている人でも安心だ。また、“ウィンドウズ”という名前の通り、ウィンドウを2分割や4分割して、複数のアプリを並行して実行することができる。さらに「Microsoft Teams」が標準搭載され、Windows 10ではオプションだったセキュリティ機能が標準で有効に。これらの機能が搭載されたためデバイスに高いスペックが求められるようになったのかもしれない。

 次にWindows 11で必要なスペックについて紹介しよう。重要な要素として挙げられるのは、「CPU」「RAM(メモリ)」「TPM(Trusted Platform Module)」の3つ。CPUは、「1GHz 以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサまたはSoC(System on a Chip)」であること。RAMは「4GB以上」。TPMは、「TPM 2.0のサポート」。手動でインストールする場合、CPUはチェックされないというが、自動でアップグレードする場合は3つの条件を満たさなければ、実行しない仕組みになっているようだ。

(Image:mundissima / Shutterstock.com)

3,000万のデバイスそのうち条件を満たしたCPUは44.4%、RAMは91.05%、TPMは52.55%だった

 それでは調査結果を紹介しよう。今回対象となったのは、企業を含む6万の組織で使われている推定3,000万のデバイス。そのうちCPUの条件を満たした端末は44.4%、RAMを満たした端末は91.05%、TPMを満たした端末は52.55%。つまり、すべての条件を満たした端末は、半分もなかったことが分かった。マシンのスペックを上げようとするとどうしてもコストがかかるため、仕事に不自由のない最低限のスペックで端末を導入している会社が多いのかもしれない。

 実はTPMについては、物理マシンの場合の比率であって、仮想マシンに対する調査ではTPM 2.0が有効になっているワークステーションはわずか0.23%だったとのこと。仮想マシンでTPMを有効にするためには、TPMパススルー(vTPM)というものを使用する必要があるが、現状ではほとんど利用されていないようだ。

 Windows 10のサポート終了は2025年の10月だ。時間にはまだ少し余裕がある。しかし、今後は続々とWindows 11だけでしか対応できないサービスやアプリなどが開発されることも増えてくるだろう。

 最悪の場合、ビジネスシーンでWindows 11でしか利用できないサービスが普及し、取引先から「え、まだWindows 11にしてないの?困るよ」と言われてしまう可能性もゼロとは言えないだろう。「今は自分にとっていらない機能ばかりだから」と思わずに、移行する余裕のあるうちに対応した方がよいのかもしれない。

参照元:企業のWindows端末の半数以上がWindows 11を実行できない【TECH+】

オトナライフ編集部
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