何かと話題のWindows 11。今度はAndroidアプリが初めてサポートされることを、アメリカのマイクロソフトが10月20日付けの公式ブログで発表した。だが、利用条件が非常に多く、すでにいくつかの不具合が浮上しているよう。日本の一般ユーザーが実際に使えるようになるのはしばらく先になりそうだが、ひとまず現時点での利用条件をご紹介しよう。
今はアメリカでのテスト段階。しかも使用条件がかなり多い
まず、試せるのはベータチャネルのみ。しかも、アメリカのWindowsインサイダープログラム参加者限定となっている。さらに、Windows 11をインストールしたPCの地域はアメリカに設定、PCのBIOSまたはUEFIの仮想化を有効にする必要があり、かつ使えるAndroidアプリはアメリカのAmazon Appstoreからダウンロードしたものに限られるという多くの条件付きだ。マイクロソフトはAmazon Appstoreの一部として新コンポーネント「Windows Subsystem for Android」を導入している。これはインテル、AMD、QualcommなどのあらゆるWindows対応プロセッサで動作し、インテルとマイクロソフトが共同開発したインテル・ブリッジ・テクノロジーを採用することで、ARM専用アプリをインテル・AMD製プロセッサで実行できるものだ。
試せるAndroidアプリは、今は電子書籍の「kindle」やゲームの「Lords Mobile」「June’s Journey」「Coin Master」、教育アプリの「Khan Academy Kids」「Lego Duplo World」など50アプリのみ。今はまだまだ“テスト段階”だ。
すでに判明している問題点として、「Microsoft StoreでAmazon Appstoreのレビュー評価が表示されない」、「広告ブロック機能を利用している場合にAmazon Appstoreのログインに失敗することがある」、「Amazon Appstoreでアクセシビリティのオプションがまだ有効ではない」が挙げられている。Androidアプリ対応の世界展開がいつになるのか、またAmazon AppstoreがすべてのWindows 11ユーザーに公開される時期も不明であり、そもそもWindows11の最小システム要件が厳しいことから、どれほどの人が待ち望んでいるのか、はなはだ疑問だ。
そもそもWindowsのデスクトップで、Androidアプリの利用ニーズはあるのだろうか。大抵のサービスはアプリとブラウザの両方で利用することができるため、どちらか好きな方を使えばよい。だが、サービスによってはアプリの方が使いやすいということも多々あるため、「ブラウザ版も使えることは使えるけれど……」という、ユーザーの小さな不満を解消してくれる。だが、アプリをWindowsにも対応させることで、いくつかの弊害が生まれるとの考え方もある。画面サイズの大きさや縦横比、タッチ操作の有無、ズーミング、ウィンドウのサイズの変更など、スマホとPCとでは様々な点が異なるからだ。
おそらくどんなユーザーにとっても100点満点といえる結果にはならないだろうが、まぁ、まずは日本での公開を待つことにしよう。
参考元:Windows 11がAndroidアプリに対応、ただし条件多し【iPhone Mania】
※サムネイル画像(Image:diy13 / Shutterstock.com)