近年一気に浸透したテレワーク。多くの企業が取り入れ、在宅勤務だけでなくサテライトオフィスの使用やワーケーションなどの新しい働き方が増えてきた。もしかしたら、「いつまで」「どれくらいの頻度で」との制限もなくなり、基本的にはこの先もずっとテレワークを採用し続けるといった企業もあるだろう。ところが、せっかくテレワークが広まったのに、多くの人は定期的に出社しないといけない理由を抱えているようだ。
メリットも多いが、部署などによって差があるテレワーク普及
新型コロナウイルス感染拡大による行動自粛から、テレワークになったという人も多いだろう。もちろん先進的な企業では、それ以前から取り組んでいたかもしれない。テレワークになったことで、「通勤がなくなり満員電車に苦しむストレスがなくなった」「子どものお迎えに行けるようになった」「リラックスした環境で働けるようになった」など、たくさんのメリットも生まれている。
日本トレンドリサーチは10月28日、株式会社キャムと共同で「テレワーク」に関するアンケートを実施。事前調査で「テレワークを実施している職場に勤めている」と回答した男女300人から得た結果を発表した。
「あなた自身はテレワークをしていますか?」という質問に対して、「はい」と答えたのは81%。「テレワークを実施している職場に勤めている」とはいっても、例えば基本的にはパソコンに向かっている管理職と手を動かしてモノをつくり出さなければいけない現場の技術職、本社と支社など部署や業務内容などによって差があるようだ。
「自身はテレワークをしている」と答えた人に対して、「出社しなければ出来ない業務のために出社することがありますか?」と問うと、なんと74.1%の人が「ある」と回答した。せっかくテレワークをして、心身の負担や感染リスクを減らしているにも関わらず、多くの人が“完全テレワーク”とはなっていないようだ。その業務内容や理由を少しチェックしてみよう。
「お客さんとの取引、信頼を得るため(30代・女性)」。オンラインでは微妙なニュアンスや表情の変化、会話のタイミングをつかむのが難しい場合もあるため、気持ちはわからなくもないが、出来るだけオンラインで済むことはZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールの利用をオススメしたい。
「会社のPCにしか入っていないソフトを使うため(30代・男性)」。これは自宅のパソコンにも同ソフトをインストールする費用などを企業側に負担してもらうことで解決できそうな気もするが……。緊急事態宣言などで突貫でテレワークに踏み切った企業だと、そこまでの準備ができなかったのかもしれない。
「会社に保管されている社外秘の資料が必要な時(40代・男性)」、「セキュリティ上、社外からのアクセスができないもの(40代・男性)」といったセキュリティ上の問題から、会社保管となっている資料のために出社するという理由も多く見られた。
また、「領収証の確認、請求書発行他(40代・女性)」「調印や稟議決済のための押印(50代・男性)」との理由も挙げられ、まさに日本のペーパーレス化、電子化の遅れを象徴しているような内容となった。
セキュリティ面の懸念や紙資料でのやり取りなど、まだまだアナログな考えを持つ日本企業の現状が顕著に表れているようだ。すぐにとはいかないが、セキュリティの強化や電子化が進み、今回の回答をしてくれたような人たちが完全テレワークとなる日が来ることを期待したい。
出典元:テレワークをしている74.1%が、出社しなければ出来ない業務のために出社することがある【日本トレンドリサーチ】
出典元:キャムマックスは→こちら
※サムネイル画像(Image:「日本トレンドリサーチ」リリースより引用)