Googleスプレッドシートのプルダウンは、すでに決まっている値を事前に設定することで入力が便利になる機能。
プルダウンを作ることで入力ミスを防いだり、データの整合性を保つことが可能です
この記事では、スプレッドシートでプルダウンメニューを作成する方法や、その応用例について詳しく解説。また、応用として複数のセルを連動させる方法もご紹介します。
Google スプレッドシートでプルダウンメニューを作成する方法
Google スプレッドシートでプルダウンを作成する基本的な手順をご紹介します。
【1】まず「データ」タブを開き、「データの入力規則」をクリックします
【4】①ボックスに値を入力します。②値を追加したい場合は「別のアイテムを追加」より追加可能です。③入力が終ったら「完了」をタップします
【6】セルをクリックすると、先ほど入力したテキストがリスト化されていることが分かります
プルダウンの選択肢をGoogleスプレッドシート内から参照して作成する方法
プルダウンの選択肢は、スプレッドシート内のデータから選ぶこともできます。なお、データは別のシートにあっても問題ありません。
【1】まず、スプレッドシート上にプルダウンの選択肢を用意します。今回は商品の分類として、「食品」「生活用品」「衣類」「文房具」の選択肢を作成します。プルダウンを作成したいセルを選択した状態で「データ」→「データの入力規則」→「ルールを追加」をクリックします
【2】①条件を「プルダウン(範囲内)」に設定します。②範囲は先ほど作成した「食品」「生活用品」「衣類」「文房具」が記載されているセルを指定します。③完了をクリックします
【3】セルにプルダウンが作成され、分類をリストから選択できるようになりました
プルダウンの選択肢を自動追加する方法
上記で紹介した方法では、元データが増減してもプルダウンの選択肢は自動反映されません。自動で反映させるには、「条件:」で行または列全体を選択させておく必要があります。
全体を選択しておけば、その範囲内で増減があったとしても自動的に反映されます
Googleスプレッドシートでプルダウンを削除、選択肢を変更する方法
プルダウンを削除、選択肢を変更したい場合の手順をご紹介します。
プルダウンを削除する
作成したプルダウンを削除する方法は以下の通りです。
【1】プルダウンを削除したいセルを選択し、「データ」→「データの入力規則」に進みます
【2】選択範囲を確認し、「全て削除」をクリックすると削除完了です
プルダウンの選択肢を変更する
プルダウンの選択肢を変更する方法は以下の通りです。
ボックス内を直接修正するか、①「別のアイテムを追加」よりリストに含める選択肢を追加することができます。②追加の選択肢を入力して、③「完了」をクリックします
【応用編】スプレッドシートで「複数のプルダウンを連動する」
スプレッドシートで「複数のプルダウンを連動する」ことで、あるプルダウンで選んだ項目によって次のプルダウンの選択肢の表示を変えることができます。
たとえば「都道府県」で選んだ選択肢によって「運営」の表示が「都立」「私立」「公立」と限定されます。その2つの選択肢により「学校名」の表示も限定されます
上の場合、プルダウンを連動しないと「学校名」には全都道府県の学校を表示させることになり、入力も項目の選択も手間がかかります。連動させることで「特定の都道府県」の「特定の運営」から、学校名をスムーズに選べるようになります。
スプレッドシートで複数のプルダウンを連動する手順
実際にスプレッドシートで複数のプルダウンを連動させる方法を段階ごとにご紹介します。
まずはプルダウンの元となる表を用意しておきましょう。
「名前付き範囲」で表の各項目を関連付け
【1】まず、プルダウンの元になる各表の関連付けを行っていきます。今回は「食材の種類」「食品」「料理」のプルダウンリストを作成します
【2】「データ」をクリックし、「名前付き範囲」を選びます
【4】①最初の表の中の選択肢を入力していきます。まずは「肉類」です。入力が完了したら②「データ範囲を選択」を入力します。「肉類」に対応する、表の選択肢をドラッグして選びます。選択したら③「OK」をクリックします
【6】「範囲を追加」をクリックし、「魚類」、「野菜類」の紐づけを行っていきます
【7】同じように「魚類」、「野菜類」のデータ範囲を選択しました
「食材の種類」と「食品」の表の紐づけが終わったら、「食品」の表と「料理」の表を紐づけます。基本的な手順は同じです。
【8】2番目の表の「牛肉」に対し、対応する「すき焼き」「ローストビーフ」「しぐれ煮」の範囲を指定。手順を繰り返し、2番目の表の「豚肉」「鮭」「サバ」「キャベツ」「ナス」と3番目の表とそれぞれ紐づけます
【9】任意の場所にプルダウンリストの元となる表を作っておきます
次にINDIRECT関数を入力します。INDIRECT関数は、参照したいセルを文字列で指定することで指定したセルの値を表示させる関数です。
この関数を入力しておくことで、前のプルダウンの選択肢によって次のプルダウンの内容が決定されるようになります。
【10】2番目の選択肢の切り替えのため、表の横に今回は「=INDIRECT(B18)」と入力します。カッコで指定するセルは、プルダウンリストで選択肢が出力される場所です
【11】3番目の選択肢の切り替えのため、表の横に「=INDIRECT(C18)」と入力します
プルダウンリストを作成
プルダウンリストを作成していきます。
【1】「データ」をクリックし、「データの入力規則」を選びます
【2】「セル範囲」欄の①「データ範囲を選択」アイコンをクリックします
【3】②最初の選択肢が出力されるセルをクリックして選び、③「OK」をクリックします
【4】「条件」欄を①「プルダウン(範囲内)」に設定し、②「データ範囲を選択」アイコンをクリックします
【5】①最初の選択肢となるデータ範囲をドラックして選択し、②「OK」をクリックします
2番目のプルダウンを作るために、「データ」→「データの入力規則」→「範囲に適用」欄の「データ範囲を選択」アイコンをクリックします。
【7】①2番目の選択肢が出力されるセルをクリックして選び、②「OK」をクリックします
【8】「条件」欄を①「プルダウン(範囲内)」に設定し、②「データ範囲を選択」アイコンをクリックします
【9】①最初の表に対応しているINDIRECT関数を、表の範囲分ドラックして選択します。選び終わったら②「OK」をクリックします
3番目のプルダウン作成も同じように、「データ」→「データの入力規則」→「範囲に適用」欄の「データ範囲を選択」アイコンをクリックします。
2番目の選択肢が出力されるセルをクリックして選びます。続けて、「条件」欄の「データ範囲を選択」アイコンをクリックします。
【10】①2番目の表に対応しているINDIRECT関数を、表の範囲分ドラックして選択します。選び終わったら②「OK」をクリックします
これでプルダウンリストの完成です。
最初の選択肢を「肉類」、2番目の選択肢で「牛肉」と選ぶと、3番目は「すき焼き」「ローストビーフ」「しぐれ煮」になりますが……
最初の選択肢を「野菜類」、2番目の選択肢で「キャベツ」と選ぶと、3番目は「ロールキャベツ」「お好み焼き」「千切り」になっています
スプレッドシートでプルダウンに関するよくある質問
Google スプレッドシートのプルダウンに関するよくある質問をご紹介します。
条件に「空白」を入れたい
選択肢の中に「空白」を入れることはできません。
「なにも入力されていないセルを選択肢に入れたい」場合は「入力なし」が代替法として使えます
スマホでプルダウンメニューは作れる?
操作は難しいものの、スマホからでもプルダウンメニューを作ることは可能です。
スマホからGoogleスプレッドシートを開き、右上の三点ボタンをタップします。メニューの「データの入力規則」をタップすると、作成画面に移行します
ただし、対応しているのはAndroidのみで、iPhoneでプルダウンリストを作成、編集はできません。しかしパソコンで作成したプルダウンリストは、iPhoneでもそのリストからオプションの選択は可能です。
まとめ
この記事では、スプレッドシートでプルダウンメニューを作成する方法や、その応用例について詳しく解説しました。スプレッドシートのプルダウンメニューは、入力ミスを防いだり、データの整合性を保ったりするのに便利な機能です。また、複数のセルや別のスプレッドシートと連動させることもできます。ぜひ、この記事を参考にして、スプレッドシートの操作に慣れてみてください。