日清食品株式会社が、「0秒チキンラーメン」を新たに発売するという。これまでも、チキンラーメンの新たな食べ方として、女優・新垣結衣が出演するCMで提案され、ネット上でも話題を呼んだことがある0秒チキンラーメンだが、その“旧”0秒チキンラーメンと今回新発売となる0秒チキンラーメン、いったいどのように異なるのだろうか。
安藤百福のベンチャー精神とバイタリティー
その前に、チキンラーメンについて少しおさらいしておこう。チキンラーメンは、日清食品の創業者である安藤百福 (ももふく)氏 が発明した世界初のインスタントラーメンだ。2018年には同氏の足跡をベースにNHKの連続テレビ小説「まんぷく」が放送され、大きな話題を呼んだことも記憶に新しい。
終戦後、大阪駅近くの闇市を通りかかった安藤氏は、寒空のもと1杯のラーメンを食べるために並ぶ長い行列を見かけたのだそう。そこで、日本人が麺類好きであることを改めて実感し、麺類市場に大きな需要が隠されていると確信したのだという。世の中に無いものを新たに作り出すのは容易いことではないが、ベンチャー精神とバイタリティー溢れる安藤氏は、睡眠時間を1日4時間程度に削り、1日も休むことなく、一人で研究を続けた結果、たった1年間でチキンラーメンの開発を成し遂げたのだという。もう、すごいの一言だ。
旧”0秒チキンラーメンと0秒チキンラーメンとの違いとは!?
2017年、ガッキー出演のCMによって話題となった“旧”0秒チキンラーメン。それがいかなるものかというと、お湯を入れて3分待ってから食べるのが普通のところ、お湯をかけずにそのままかじるというものだった。しかしこれを実際に試すとどうなるか。ネット界隈を中心に「うん、しょっぱい」「味が濃すぎる」などの意見がその答えを表している。筆者も試したことがあるが、かなり濃い味だった。そもそもお湯を注ぐのが前提なので当然だが……。しかし、これらの反響の大きさから、日清食品はそのまま食べる需要の多さに着目したらしく、チキンのうまみや香ばしさはそのままに、通常のチキンラーメンよりも塩分を約50%に抑えた、そのままかじる用の0秒チキンラーメンが新発売される運びとなったのだ。
しかし、ネットの口コミをもとにして新商品を開発するなんて、斬新な取り組みである。実は、日清食品は過去にもネットの口コミをもとに「カップヌードル ミルクシーフードヌードル」を商品化したこともあり、遊び心やチャレンジ精神がすごい企業なのだ。それも、企業全体が創業者・安藤百福のベンチャー精神やバイタリティーを受け継いでいるからなのだろう。今後もどんな商品が発売されるのだろうと楽しみにしながら、自分のイチ押しアレンジレシピをネット上でつぶやきたいものだ。
●新発売のお知らせ「0秒チキンラーメン」(4月4日発売)【日清食品グループ】
※サムネイル画像は(Image:「日清食品グループ」公式サイトより引用)