30歳を過ぎてから、ラーメン好きは変わらないものの、そば好きも加速しつつある。特にそばの風味がダイレクトに味わえるざるそばが好きだ。そんなそば沼に片足を突っ込みつつある筆者のレーダーに、「韃靼(だったん)そば」なるものの存在が察知された。通称・苦そばと呼ばれる韃靼そばは、他のそばと一体何が違うのか? 今回実際に食べて確かめてみた。
苦い……のか? 韃靼そばは普通においしいそばだった
今回お邪魔したのは、千葉・勝田台にある「三本松」さん。
メニューの一番最初に「ダッタンそば(韃靼そば)」とあるように、韃靼そばを前面に押し出している。私たちが普段食べているそばと韃靼そば、そもそも何が違うのか?店内のPOPに答えがあった。
<韃靼そばと通常のそばとの違い>
・そば粉には「韃靼種」と「普通種」がある。韃靼種を使ったものが韃靼そば。
・韃靼そばは普通のそばより苦い。そのため、韃靼そばは通称「苦そば」、それに対して普通のそばは「甘そば」と呼ばれる。
・韃靼そばは抗酸化作用のあるルチンが通女王のそばの100倍多く含まれている。
とのこと。乱暴にまとめてしまうとすれば、
「通常のそばより、苦くて体によいそば」
といったところだろうか。
そうこうしていると、頼んだ韃靼そばが運ばれてきた。通常のそばよりやや緑がかった印象。それ以外は特にこれといって変わったところはない。
セットでついてくる薬味とその容器がお洒落だった。手前にあるフライはそばを伸ばして揚げたものらしい。
まずは、そば単体ですすってみる。
ふむ。うまい。
そば粉特有の香りに、ほんのりとした苦味。そして喉越しのよい食感。十割そばのようにボソボソした食感ではなく、ツルツルしこしこ食感だ。
苦味は想像以上にマイルドで、そば単体でもほんのり感じる程度。
つゆに浸けて食べても、もちろんうまい。なお、つゆにつけると筆者の舌ではほぼ苦味を感じなくなった。
セットで運ばれてきたそば湯はなかなかの緑色。これが韃靼本来の色か。写真は撮り忘れてしまったが、そば湯単体で飲んでも、つゆと割って飲んでも、ほとんど苦味は感じられなかった。
もちろん、美味しく完飲完食だ。
韃靼はネットで噂されるほどの苦味はなく、とても食べやすいそばだった
当初は「どれだけ苦いんだ?」と思っていた韃靼そば。
お店によって味の違いやそば粉の割合には差があるとは思うものの、今回食べた韃靼そばはほとんど苦味を感じなかった。
このおいしさに加え、通常のそばより体にいいのであれば、今後はそば屋で注文しない理由がないだろう。