飲食店を調べる際、どのような手段やツールで検索しているだろうか?知人からの口コミを参考にすることもあるだろうが、今やもっぱらスマートフォンやPC上で調べることが多いのではないだろうか。多くの人が利用しているであろうグルメサイトもそうしたツールの一つ。しかしこのグルメサイトに関するアンケート調査が行われ、ユーザー側の意識にとある変化が生まれている可能性が見えてきた。
グルメサイトは“信頼していない”
グルメサイトとは、飲食店の基本情報や来店客などによるレビュー評価が載っているウェブサイトのこと。メニューや口コミ等を見ながら、その場でネット予約もできる利便性が大きな武器となっている。グルメサイトには「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパー」の大手3社をはじめとして、アプリでも多数のサービスが存在している。
しかし、株式会社TableCheckが4月5日にインターネット上で行った「グルメサイトに関する意識調査」によると、半数以上の回答者が情報として活用している一方で、28.5%のユーザーが「点数やランキングを信頼していない」という事実が明らかに。もちろん実際の来店客による正直なレビューや評価も記載されているが、サクラの口コミの存在や店舗評価が操作されているという疑惑がたびたび持ち上がっていることもあり、それらの情報の信頼性が疑問視されてきたことが理由にあるようだ。
さらに店側に対する調査でも、店舗側の57.1%が「ユーザー評価は気にしない」「信用しない」と回答したのだった。両者ともに“グルメサイトがすべてではない”という認識が強く持たれている様子が浮かび上がった。
そんなグルメサイトに代わり、飲食店の検索手段として増えているのが「Google検索」と「Googleマップ」だ。それぞれ2020年の第1回調査に比べて、利用率が48.3%から62.6%に、30.2%から35.6%にアップ。これは世界的企業・グーグルのサービスに寄せられる、信頼の高さを示す結果と見てもよいのかもしれない。
また同調査では「飲食店を利用する際に頻繁に利用する手段」という設問も。その結果は、予約機能も備えているグルメサイトの利用率が低下したことも影響しているのだろうか、各業界でデジタル化が進む中、飲食店の予約方法は未だ「電話予約」が42.5%で1位となった。
さらに2位以降は、ぐるなび、ホットペッパー、食べログという結果に。一部のユーザーから不満を持たれていることは間違いないが、その利便性やポイントの付与などのサービスによりグルメサイトを支持するユーザーも少なくないことがわかった。
また最近では「インスタグラム」やGoogleマップでも予約機能を実装・強化しているものの、確実性を求めるユーザーからは電話が圧倒的な支持を集めた。さらに店側からしてもグルメサイトなどでは手数料などをとられる場合があるため、電話や自社サイトでの予約客のほうがありがたい可能性もありそうだ。コロナ禍も相まって経営が厳しくなってしまった現状を考えると、飲食店にとっては電話予約が一番いい方法なのかもしれない。
このような実情を踏まえると、デジタル化の波が飲食店にまで及ぶのはまだ少し先になりそうだ。
参照元:【第2回グルメサイト意識調査】グルメサイト評価、「信頼しない」飲食店6割。飲食店探しは「Googleマップ」「ウェブ検索」が急増【TableCheck】