コロナ禍で求められる外出自粛。“巣ごもり需要”が拡大し、フードデリバリー市場は急成長し続けている。それをめがけて国内外から様々な形態のサービスが続々と参入し、今では「Uber Eats」「出前館」「menu」「フードパンダ」「Wolt」など、多数のサービスがしのぎを削っている。そこで、オリコンニュースはユーザーアンケートをもとにコロナ禍のフードデリバリー事情を調査している。
フードデリバリーは感染予防対策や家事省略のツールに
オリコンニュースが5月14日~19日に調査した調査によると、フードデリバリーで最もよく頼まれているメニューは「ピザ」だという。さらに2位は「ファストフード・ハンバーガー」、3位には「レストラン」といったジャンルが上位にランクインしている。
そしてそんなメニューを注文するのに利用されているフードデリバリーサービスの種類の回答を見てみると、フードデリバリーの代表格でもあるUber Eatsは意外にも3位。28%という支持率だった。コロナ禍でフードデリバリーが世間に浸透したとき、業界で最もスポットライトを浴びていたのはUber Eatsだったように思えたが、その印象ほど利用されていないのかもしれない。Uber Eatsのバッグはピザなど大型の商品を運ぶ際には、ジッパーを開けて大型化できるような工夫が施されているのに、ピザの注文で利用されていないというのは悲しいものがある。
そして2位には「直営店のデリバリーサービス」が29%とUber Eatsを僅差で上回りランクイン。「よく頼むメニュー」で1位となったピザや、4位の「中華・寿司」、5位「寿司」などの以前から店舗で出前を行っていたものが多いことも影響しているかもしれない。
そして栄えある1位となったのは、Uber Eatsの永遠のライバルでもある出前館だ。実に回答者のうち39%が出前館を挙げている。2位と10ポイントもの差をつけた圧勝となった。利用者の声には「クーポンがよく出る。送料無料が多い」(東京都/20代・男性)、「定期的にクーポンを配信してくれるので、デリバリー価格で高くても利用しやすい」(東京都/30代・女性)との声も。また、直営店のデリバリーサービスでは「ポイントが貯まる」(埼玉県/20代/女性)など店舗独自のポイント還元などがある点をあげる声もあった。
出前館はそのおトクさがフックとなってファミリー層を中心に人気となっているようだ。確かに過去のCMでも女性がママチャリに載って配達している様子を映すなど、ファミリー層の、とくに女性にとって、安心感のあるPRが図られていたように感じる。
一方のUber Eatsは、出前館の「おトク・安心感」という訴求方法とは異なり、配達員の“オシャレ感”を武器に普及してきた印象だ。しかしフードデリバリーが浸透しきる前に運転マナーを守らない自転車の配達員の姿や届けられたメニューの悲惨な様子がメディアで広く拡散されてしまったこともあって、「安心感に欠けるサービス」という感じは否めない。もしかしたらその差が、今回の順位に表れたのかもしれない。
果たしてUber Eatsは今後このシェアを巻き返すことはできるのか。逆に出前館がさらに差を広げることとなるのか。今後のフードデリバリー業界のシェアにも要注目だ。
出典元:【意識調査】コロナ禍で急成長したフードデリバリー 最も頼むメニューは不動の「ピザ」【ORICON NEWS】
※サムネイル画像(Image:yu_photo / Shutterstock.com)