「ねとらぼ調査隊」による「好きな寿司ネタのランキング」でハマチが1位に輝いた。今年、回転寿司のみを対象に行われた別のランキングで1位となっていたサーモンは、9位タイという意外な結果に。回転寿司ではバリエーションを揃えて愛されているサーモンだが、実はその歴史は浅い。回らない寿司を含めると、いまだに邪道な楽しみ方というイメージが根強いのだろうか。
1位はハマチ、サーモンはまさかの9位
インターネット調査サイト「ねとらぼ調査隊」が「『寿司ネタ』であなたが一番好きなものはなに?」かというアンケートを2021年5月に実施、1,441票の回答を得た。トップ27まで発表されているランキングだが、ここで寿司ネタとしては絶大な人気を誇ると思われていたネタが意外なポジションに甘んじていた。それが9位のサーモンだ。
サーモンは、2021年3月に大手食品会社のマルハニチロが行なった「回転寿司に関する消費者実態調査 2021」では2位のマグロに大きく差をつけて圧倒的1位に君臨していた。今回の調査ではギリギリ一桁台をキープしたものの、先の調査結果からは考えられない結果である。しかし、マルハニチロの調査はあくまでも回転寿司を対象としたものであり、ねとらぼの調査では寿司のスタイルを限定していない。回転寿司といえばとくに子連れのファミリー層に利用されやすいイメージも強く、そんな客層も調査に影響したのだろう。今でこそ寿司ネタとして定着したサーモンだが、実は生食の歴史は浅いことも関係していると思われる。
回らない寿司では邪道扱いのサーモン?
日本では焼き鮭などサーモンを焼いて食べる習慣はあったものの、生食するようになったのは1980年代のことだ。世界第2位の水産大国であるノルウェーがサバや甘エビなどを日本向けに輸出している過程で、日本では当時加熱されて食べられていたサーモンに可能性を感じて寿司ネタに活用できないかと考えたのがはじまりだという。それまで天然のサーモンには寄生虫の心配があったため生食は推奨されてこなかったが、ノルウェーの養殖技術がそれを解決。ノルウェーの首相が来日した際には自らサーモンの寿司を握るなど、国として怒涛のプロモーションを仕掛けてきたことが、今日のサーモンの生食につながっているのだ。
とろけるような食感が他のネタとは一線を画しているサーモン。お刺身や寿司ネタとして若年層にはすっかり定着しているが、上の世代には慣れ親しんだ味とまではいかないのだろうか。もしくはその歴史の浅さから、由緒正しい日本料理としての寿司ネタとしてはふさわしくないイメージがいまだにあるのかもしれない。いずれにせよ、意外な結果だった。
参照元:【寿司】人気の寿司ネタランキングTOP27! 第1位は「ハマチ」に決定!【2021年最新投票結果】