ゴミの削減やSDGsの視点からも、近年各企業が取り組んでいる、容器の持ち込みや再利用の動き。飲食系ではユーザーが容器を持参する場合や、化粧品などでは使用済みの空容器を回収して再利用するなど、取り組み方は様々だ。そんな中、コンビニエンスストアのローソンは、カフェサービス「MACHI café」において容器を持参したユーザーに39円引きで商品を提供するキャンペーンを打ち出した。環境配慮の目線では素晴らしい取り組みだが、このご時世ならではの衛生面に対する批判の声もあるようだ。
環境配慮の取り組みをPRするMACHI café
MACHI caféは2011年からローソンが始め、今年10周年を迎えたカフェサービス。挽きたて、淹れたてのコーヒーをはじめ、カフェラテやココア、季節限定などのドリンクやスープなど豊富なメニューを提供している。
そんなMACHI caféは、ローソンの環境配慮の取り組みをPRする場でもあるようだ。コーヒー豆には、環境保全と労働環境への厳しい基準をクリアした「レインフォレスト・アライアンス認証」を得た農園産の豆を使用している。また、2020年秋にはプラスチック製だったアイスカップを紙製の容器に変更し、ストローを使用せずとも飲める仕様のフタにリニューアルした。
実は、2011年の導入当初からコンビニエンスストアでは独自の取り組みとして、タンブラーやマイボトルなどの容器を持参すると通常価格から10円引きで商品を提供する取り組みも行っている。実際に持参している場面をあまり見かけることがないため、「知らなかった!」と驚くユーザーも多いかもしれない。
容器持参は衛生面的に大丈夫なのか
長年、プラスチック削減など環境配慮に取り組んできたローソンのMACHI caféが、7月20日から新たなキャンペーンを実施することが発表された。
以前から容器持参によって10円引きで提供していたコーヒーおよびカフェラテ(ホット/アイス)のS・M・Lサイズの商品を、キャンペーン期間中は39円引きにて提供するという。これにより、ローソンは6.4トンものプラスチック削減を見込んでいる。ゴミ削減の目線やさらに手ごろな価格でコーヒーを楽しめるところを見れば称賛の声が多いが、このご時世、やはり懸念されるのが“衛生面”だ。
ローソンが販売しているMACHI café専用のタンブラーやボトルもあるが、特に持ち込み容器に指定はない様子。加えてユーザー側から容器をどんな状態で渡されるかわからないため、「1日使った汚いマグを入れた後に、自分が利用したら…」「適当に水で濯いだ容器を渡される店員さんがかわいそう」などユーザー側、店員側の衛生面を心配する声が上がっているという。
また、現役の店員と見られるSNSのアカウントからは「どんな菌を持ってくるかわからないのに、どんなタンブラーでも受け取らなきゃいけないという従業員にリスクがある」との意見が出たという。
スターバックスでも専用タンブラー持参で割引き提供の取り組みを行っていることを考えると、もしかしたらスターバックス内部でも同様の懸念がなされているかもしれない。
環境配慮はもちろん大切なことだが、現在多くの人々が敏感になっている衛生配慮もしっかりと考えたキャンペーンであってほしいものだ。
参照元:ローソンのマチカフェが容器持ち込みで39円引きに プラ削減策の一環 利用者やクルーからは賛否両論【iza】
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