9月26日にかっぱ寿司が「全皿半額」という採算度外視キャンペーンを行なった。話題作りと割り切ってのものなのだろうが、反響は世間の予想をはるかに上回るほど。なんと待ち時間が16時間以上に及ぶ店舗もあったそうだ。いくら半額といえど、長時間待たされてしまっては、安く寿司が食べられる喜び以上にイライラを募らせた客も多かったようだ。
採算度外視キャンペーンに「行きたくない」の声
スシローやくら寿司に後れを取っているかっぱ寿司が、話題作りに振り切った全品半額のキャンペーンを行なった。回転寿司業界でなんとか巻き返しをはかるため、シャリを山形県産ブランド米「はえぬき」に統一したり、わさびや海苔、ネタも変更したりと“中身”にもこだわっていることを広く知ってもらうためのものだったが、その反響は予想以上だった。
「開店11時なのに、9時には長蛇の列」「大混雑でうるさくて慌ただしい店内で、イライラしながら食べるくらいなら行きたくない」など、ネット上にはマイナスな意見が溢れた。中には騒ぎに便乗して半額につられる客層を中傷しだすコメントも出てきており、大荒れだ。ただ実際の混みようはたしかに凄まじかったようで、ツイッターには待ち時間「988分」と非現実的な数字が表示されている画面が上げられていた。
かっぱ寿司自身、事前に混雑や入店制限が予想されると告知していた。しかしコロナ禍による外食の自粛ムードを合わせても、異常な混雑ぶりとなってしまった。「数日間ではなく1日限定なのは無理がある」「混雑は予想されていたのだから、事前抽選とか予約制とか」と、かっぱ寿司側の対応にも改善の余地があったと指摘する声もある。“密”を避ける店づくりも企業の評価につながるご時世なので、イメージダウンになってしまった側面は否めない。
さらに、かっぱ寿司側が入店制限などへの対応策として用意した「半額クーポン」がさらなる物議を呼んでいる。一部店舗で配られていたものが、あっという間にメルカリで転売され1枚3,500円以上の値段が付いているものまで売れているのだ。いくら半額になるとはいえ、3,500円をペイするには単純計算で7,000円以上を食べる必要があるが、果たして釣り合うのだろうか…?こうした転売は客側のモラルの低さによるものだが、今回の騒動と合わせればかっぱ寿司に対する印象の悪さにもつながってしまう可能性も否定できないだろう。
内容の微妙さに目をつぶれば大いに話題になったと言えるが、炎上に近い盛り上がり方になってしまったかっぱ寿司。せっかくの採算度外視キャンペーンが、真逆の効果になってしまっては意味がない。