年末、マクドナルドのポテトが販売縮小されてSサイズのみの提供となることが分かった。冬休みや年末年始の需要が増えそうなタイミングで店側にも客側にもデメリットしかないが、実は過去にも同じことが起こっている。その理由は、来年にも再びポテト不足になるのではと心配させられるものだった。
単品もセットもポテトはSサイズのみの販売に
12月24日から30日までの間、マクドナルドが「マックフライポテト(L)」をはじめとしたポテトの販売を縮小する。マックフライポテトはSサイズのみ販売となり、バリューセットやバリューランチのポテトセットは50円値下げしてMからSに変更。Lサイズのセットは販売中止となる。販売再開は12月31日を予定しているとのことだ。
「マックの価値消えて泣いてる」「早くポテトLサイズ揚げたてが食べられますように」など、ネット上では悲しみの声が。しかし、実はマクドナルドのポテトが販売縮小になる事態は今回が初めてではない。2014年にも同じようにマックフライポテトがSサイズのみの提供になったことがあったのだ。
今回の販売縮小について、日本マクドナルドホールディングスは船便の経由地であるカナダのバンクーバー港近郊で起こった大規模水害やコロナ禍における世界的な物流網への影響が原因と説明している。対して2014年にポテトが供給不足となった理由は「アメリカ西海岸における港湾労使交渉の長期化のため」といったもの。つまり、ストライキが原因だったのだ。
この労働交渉は6年ごとに行われており、ストライキを匂わせながらよりよい条件を引き出すのが労働者たちの常套手段となっている。西海岸の港はアジアとの貿易を担う重要な拠点だが、2002年にはこれを閉鎖、2008年と2014年には荷物を遅らせるスローダウン戦術を実施。マクドナルドのポテトもその影響を受けていたというわけだ。
数々の大企業を困らせて待遇アップを要求するとは、なんとも計算高い。しかし感心してばかりもいられない。最終的に政府が介入して合意した2014年の労働協約は、3年の延長を経て2022年に失効予定なのだ。交渉がはじまれば、再び荷物が遅れる可能性がある。もしかすると来年またポテトが食べられなくなる日がやってくるかもしれない。
※サムネイル画像は(「写真AC」より引用)