近年その需要が拡大を続けている中古スマートフォン。2021年9月にMM総研が発表したデータによれば、2020年度の中古スマホの販売台数は過去最高となる185万台を記録。さらに2021年度以降も順調に成長を続けていくと見られている。そんな中、とある中古スマホ販売台数ランキングにおいて9ヶ月連続で首位を守り続けている機種があることが判明した。
今回は、怒涛のV9を達成した機種と人気の理由について考えていきたい。
2021年12月の中古スマホ販売台数ランキング、1位はiPhone 8に
中古スマートフォンのECサイト「にこスマ」は1月13日、2021年12月の中古スマホ販売台数ランキングを発表した。
第5位に入ったのは「iPhone 7(128GB)」で、前回調査と同じ順位をキープするかたちとなった。そして4位には「iPhone 8(256GB)」、3位には「iPhone 7(32GB)」がランクイン。3位のiPhone 7(32GB)は前回2位から1ランクダウンとなったが、同じiPhone 7の128GBより2,000円ほど安価なことが影響してか、しっかりと上位を確保している。
そして2位につけたのが「iPhone SE(第2世代)(64GB)」。2020年4月発売と、2016年のiPhone 7、2017年のiPhone 8が並ぶランキング上位の中ではかなり新しい機種となった。2022年1月14日時点でアップルの公式HP上でも購入が可能だが、中古であれば公式HPより1万5,000円以上安く手に入れられる(平均販売単価比)こともあり中古スマホ市場で買い求めるユーザーが多いのだろう。
そして栄えある1位に選ばれたのは「iPhone 8(64GB)」となった。これによりiPhone 8は9ヶ月連続で首位を守り続けているといい、13まで登場しているiPhoneの中ではなかなか古めの機種でありながらもその人気を不動のものとしていることが証明された。
古いはずのiPhone 8、人気の秘訣はTouch ID?
近年のデジタルデバイスは年々高度化し続けており、2~3年も経てば様々な部分が大きくモデルチェンジしていることも少なくない。にも関わらず、なぜ2017年発売のiPhone 8がいまだこれほど人気を博しているのだろうか。
まず挙げられるのはやはり指紋認証「Touch ID」の存在だろう。マスク生活が続く現在、「iPhone X」以降ほとんどのiPhoneに採用されている顔認証「Face ID」が煩わしいという声も多く、Touch IDの復活を望むiPhoneユーザーも少なくない。「iPhone 13」の発表前にも「Touch IDが採用されるのでは」といった憶測も飛び交ったが、蓋を開けてみれば変わらずだったために落胆したユーザーの姿がネット上で見られた。
加えて“サイズ感”も重要なポイントだ。iPhone 8では「iPhone 6」から続く4.7インチディスプレイが搭載される大きさだったが、それ以降の正規ナンバリングでは画面・ボディの巨大化が進み、最新の「iPhone 13 Pro Max」ではディスプレイは6.68インチにまで“成長”している。加えて「mini」は2022年発売の「iPhone 14(仮称)」シリーズから除外されるという予測まで出てきている。今後手のひらサイズのiPhoneを使いたいユーザーのニーズが、iPhone 8やiPhone 8の筐体を使用しているiPhone SE(第2世代)などに集まったとしても不思議ではない。
また、進化するスペックがユーザーニーズを追い越してしまったという見方もある。iPhone 13シリーズではハリウッド映画に勝るとも劣らないカメラ性能が喧伝されていたが、ネット上では「そこまでのスペックはいらないから安くしてほしい」といった類の反応も多く見られた。「全部の機能を使うことはない高価な最新機種」と「十分に使えるスペックの安価な型落ち機種」であれば、後者を選ぶ人の考えもよく理解できるだろう。
2022年はiPhone 14のほか、「iPhone SE(第3世代・仮称)」も登場するのではないかと噂されている。果たしてどんなスペックの新型機種が登場し、中古スマホ市場はどのように変化していくことになるだろうか。非常に楽しみだ。
出典元:「にこスマ」は→こちら
出典元:2020年度の中古スマホ販売台数は過去最高の185万台【MM総研】
※サムネイル画像(Image:Elena Mansurova / Shutterstock.com)