みなさんは、現在使用しているスマートフォンの料金に満足しているだろうか。日本のキャリアのスマホ料金が、世界6カ国の中で最安水準となっていることが分かった。2GBや20GBで最安となるなど、ドコモの「ahamo」をはじめとした「新プラン」のコスパが高く評価されている。しかし一方で、携帯ユーザーの満足度では過半数が満足いかないと回答するなど、まだまだ安さを求める声も上がっている。ユーザーの声に応え、今後さらなる値下げを実施できるのか……。日本のキャリアの現状について見ていこう。
2GBと20GBプランで日本が世界最安水準に
今回、コンサルティング・マーケティングの調査を専門とするICT総研によって実施されたのは、「2022年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」。日本・アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・韓国の6カ国を対象に、各通信量での平均スマホ料金が調査された。日本の月額料金プランの平均は、2GBでは1,477円、20GBでは2,445円と、6カ国の中で最も安いことが分かった。
続いて日本ユーザーの満足度を見てみよう。「サービスエリア」「通信速度」という項目では「満足」「どちらかといえば満足」を合計すると60%を超えているのに対し、「料金」では48%と過半数を下回る結果となった。世界最安の水準を誇っている日本の携帯会社だが、満足度に関してはまだまだユーザーは満足していない様子が伺える。
楽天モバイルがキャリアに参入し、業界最安値と銘打った定額料金プランの提供を開始したことも日本のスマホ料金水準を引き下げる呼び水となった。その後もドコモからはahamo、auからは「povo」、ソフトバンクからは「LINEMO」といった新プランが続々とサービスを開始し、さらにサブブランドのUQモバイルやワイモバイルもその存在感は増してきている。それでも日本人がさらなる値下げを希望する理由は一体何なのだろうか。
安さを追求するあまり、スマホ料金の「デフレ現象」懸念も
最近では、すき家や吉野家などの牛丼チェーン店が牛丼を値上げしたことで、これまでの牛丼価格の「牛丼デフレ現象」が指摘されていた。消費者の安さを求める声に応えすぎて値下げを続けた結果、商品のクオリティが下がってしまった、というものだ。
牛丼チェーン各社の値上げに対し、クオリティを保てる適正な価格で提供すべきだと理解を示すネットユーザーも多く、「安くて美味しくない牛丼よりも安くはないけど美味しい牛丼が食べたい」というニーズがあることに他ならない。そんな牛丼業界と同様に、スマホ料金でも「妥当な価格でバランスの良いサービスを受けたい」と、急激な値下げに危機感を覚える“値上げ賛成派”も一定数存在するようだ。
安さを重視するあまり、顧客満足度を損なってしまっては元も子もないだろう。スマホ業界でデフレ現象が起こらないためにも、日本のキャリアが品質を保ちながら消費者の要望に応えることができるかが今後のカギとなりそうだ。
出典元:2022年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査【ICT総研】
※サムネイル画像(Image:marianstock / Shutterstock.com)