楽天モバイルの人口カバー率がついに96%を達成した。以前から目標として掲げていた先行のキャリア各社と同等レベルへと到達し、「4G回線の」自社回線エリアの拡大にひとつのめどがついたとも言えそうだ。しかしそんな中、先行キャリアのひとつ・ソフトバンクも「『5G回線の』人口カバー率が85%を突破した」と発表している。
今回は、キャリア各社の回線の人口カバー率発表と、ネット上での反応についてお伝えしていきたい。
楽天モバイルとソフトバンク、ともに人口カバー率を発表
楽天モバイルは2月4日、「楽天モバイル、楽天回線エリアの4G人口カバー率が96%に到達」のリリースを発表。キャリア参入当初は東名阪を中心として23.4%だった4Gの楽天回線エリアの人口カバー率が、全国へと広がり96%に達したという。世界的な半導体不足等で一時エリア拡大が難航した時期もあったが、これで既存の“三大キャリア”と同じ土俵に立った、とも言えそうだ。
しかし同日、“三大キャリア”のひとつであるソフトバンクも「5Gの人口カバー率が85%を突破」と題したリリースを発表した。これまでも新サービスである5Gの普及の展望を語る際にはたびたび用いられていた人口カバー率だが、実績を語るにあたっては“基地局の数”を提示することのほうが多い。今回のように人口カバー率で報告するのは少々珍しいことと言え、「あちらは4Gが普及したばかりだが、こちらは既にこれだけ5Gエリアを展開している」というアピールとも取れそうだ。「楽天モバイルの発表に対抗する意図があるのでは?」と勘繰られても仕方がないと言えるだろう。
ソフトバンクの5G人口カバー率の発表についてネット上からは、「ソフトバンクが5G普及をこんなに頑張っていたのはビックリ。ちょっと見直したぞ」という声が挙がっていた。しかし一方で「都心でも5Gを実際に使えるエリアなんて珍しいよ」「5Gになっても特に実感ない…」といった実際のユーザーの声も多数寄せられた。また、「4G周波数から転用した速くない『なんちゃって5G』ですからね。速度を出せるSub6のエリア拡大に力を入れてほしいものです」と、一部で囁かれている“4G転用で5Gの真価を発揮しきれていない5G通信”に言及する声も見られた。
商売はどんな業界でもライバルを蹴落として生き残っていく必要があることは間違いない。しかし「HPのエリアサービスマップ上では1年半前には拡大・対応する予定だったのに、どんどんずれ込んで未だに未対応です」とユーザーから苦情が来るような状況では、“5Gマウント”もその威力を発揮しきれず、最悪の場合、ブーメランとして自分にダメージを与えてしまうのではないだろうか。マウントの使いどころは慎重に見極めていきたいものだ。
●楽天モバイル、楽天回線エリアの4G人口カバー率が96%に到達【楽天モバイル株式会社】
●5Gの人口カバー率が85%を突破【ソフトバンク株式会社】
(文=オトナライフ編集部)