使い終わったスマートフォンをファミリーマートに持っていくと1,000円で買い取ってもらえる。そんな取組みが始まろうとしている。「機種変して使わなくなったスマホが自宅に眠っている」という人にとっては悪くないサービスのようにも思えるが…。
今回は、ファミマで実施されるスマホの回収の詳細や、その是非について考えていきたい。
ファミリーマート、お古のスマホの回収で1,000円相当のクーポン進呈サービスを開始
大手商社の伊藤忠商事は2月9日、グループ会社であるファミリーマートの一部店舗で「家庭で使用されていない携帯電話端末(トレジャー端末)の回収事業の実証」を開始したことを発表した。都内25店舗のファミマで回収しているといい、端末を持ち込んだ人にはファミマで利用可能な1,000円相当のクーポンを渡すという。また、回収されたトレジャー端末はグループ内のセンターでデータ消去したうえ、状態の良いものは中古市場に、そうでないものはリサイクルに回されるようだ。
伊藤忠商事によれば、トレジャー端末は2021年の時点で2.7億台存在するといい、その価値は「約3兆円にのぼる」と試算されている。そうした“埋蔵金”を掘り起こすことで、スマホの中古市場の活性化や産出量の少ない希少金属のリサイクルにも役立つという。
たしかにスマホユーザーの中には、「もういらないんだけど、個人情報の塊だしそのまま捨てるのはちょっと…」と機種変前のスマホを手元に残している人も少なくない。そんな“なんとなく手放していない人”にとっては、手軽にコンビニで回収できて、1,000円分のクーポンまでもらえるというのは美味しい話のようにも思える。
しかし実は「どんなスマホやガラケーでも一律で1,000円買取り」というのは、ユーザー側からしてみると非常にもったいない話でもあるのだ。ネット上で中古スマホ買取業者のページを見ても、万単位の金額で買い取ると案内されている機種も少なくない。ネット上でも「1,000円分って。価値がわかってない者は持っていくかもね」「中古店に持っていけば、ジャンク品でも現金でそれくらいくれるよ」といった指摘が多く見られた。
今回の取組みは、「家で眠っているスマホやガラケーにも価値がある」と世間に周知させる点では非常に意味のあることだと言えるだろう。しかしだからといって、大切に使った2~3年前のスマホを持っていくのは非常にもったいない。買取業者に持っていけば、1,000円よりも高い値段で買ってくれることも多いはずだ。
スマホを手放す際には、どこに引き取ってもらうかもしっかりと検討したうえで手放していただきたい。
●家庭で使用されていない携帯電話端末(トレジャー端末)の回収事業の実証開始について【伊藤忠商事株式会社】
※サムネイル画像は(「写真AC」より引用)