近年、定額料金を支払うことで無制限にデータを利用できるプランを提供するキャリアが増えている。従量制プランの「楽天モバイル」でも、20GB以降はどれだけ使っても2,980円(税込3,278円)という設定も人気の要因のひとつだ。しかしその条件として「楽天回線エリアに限る」という制約があり、現在自社回線エリアの拡大が急務となっていた。
今回は、そんな楽天モバイルの自社回線エリアについてお伝えしていきたい。
楽天回線の拡大によって、ユーザーはより快適に利用可能に!
楽天モバイルは4月4日、自社回線によるサービスエリアを拡大し、それに伴い4月より全国都道府県の一部をパートナー回線によるローミング(相互乗り入れ)サービスから自社回線によるサービス提供に切り替えていくことを発表した。
楽天モバイルは2020年4月から開始された携帯キャリアサービス。4キャリアの中では唯一従量制プランを導入し、月額2,980円で楽天の回線エリア内でならデータ通信が無制限となる「Rakuten UN-LIMIT」という設定も注目を集めた。当時の通信料金プランとしては破格のサービスで、サービス開始から2年ほどしか経過していないにもかかわらず、2021年オリコン顧客満足度®調査携帯キャリア総合ランキングではほかの大手キャリアを抑えて第1位に輝いている。基本料の安さや自社回線エリアではデータ通信が無制限であること、提供されている料金プランがRakuten UN-LIMITのみという分かりやすさなどが人気の秘訣だろう。また基本料を支払うと楽天ポイントに還元されるので、普段「楽天市場」を利用している人も多いのかもしれない。
予定より4年も早く人口カバー率96%を達成!
楽天モバイルは自社回線エリアでは高速データ通信を無制限で利用できるものの、それ以外のエリアではローミング先のKDDIの回線を利用することとなり、月5GBまでという使用制限がかかる。サービス開始当初は自社回線エリアが限られており、特に郊外や地方では自社回線が整備されていないエリアも点在していたため、楽天モバイルの恩恵を受けられない人も少なくなかった。
しかし現在では順次ローミング回線から自社回線への整備が進んでおり、2022年2月時点で自社回線エリアは人口カバー率96%を突破している。2018年に総務省に提出した計画では、人口カバー率96%達成を2026年3月末に予定していたため、実に4年も前倒しでの実現となった。東京都に限れば一部地域を除いて2021年3月にローミングサービスを終了しており、ほとんどの場所で自社回線による高速データ通信を利用できる。2022年3月までに39都道府県での切り替えが進んでおり、4月以降に残りの8県の整備を進めていくようだ。
楽天回線のエリアが広がることで、ユーザーはさらに快適にスマホを利用できるだろう。特に地方のユーザーは毎月のデータ通信量を気にせずに使える環境が増え、月末でも安心して使えるようになっただろう。現在でも地下鉄など一部の場所ではローミング先の回線を使用することになるが、もはや“通信制限”という言葉はスマホには無縁の時代が来ているのかもしれない。
●パートナー回線エリアから楽天回線エリアへの切り替えについて【楽天モバイル】